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MAHAVISHNU ORCHESTRA / Apocalypse

2005年10月22日 23時50分56秒 | JAZZ-Fusion
 ジョージ・マーティンブロデュース、マイケル・ティルソン・トーマス指揮のロンドン交響楽団との共演。空中分解した第1期に続く第2期マハビシュヌの第1作といろいろな意味で話題になった74年の作品である。私はこれをほぼリアル・タイムに購入し、その難解さに辟易しつつも根気よく聴いた記憶がある作品なので、前2作と違って個人的には馴染み深い。とはいえ、聴くのは多分20年振りくらいになるが。

 さて、久しぶりに聴いたこの作品だが、メンバー間のインタープレイのみが突出してしまった「火の鳥」以降に比べると、本作では再びマハビシュヌ的本来の色合いを取り戻そうとしているのがよくわかる。やはりマハビシュヌというのは、スーパー・テクニック集団によるスポーティーでにフュージョンであればよいというのでなく、やはり「未だ見ぬ異境を音楽でもって垣間見せてくれるようなバンド」であって欲しい、その思いはマクラフリンが一番感じでいたのではないだろうか、ともかく本作ではそういう部分を甦ってきているのである。それに一役買っているのが、オーケストラの導入である。マイケル・ギブス(彼は英国のギル・エヴァンスだ)によるエキセントリックなオーケストラ・サウンドは確かにマハビシュヌ的なエキセントリックさと、巨大なスケールを作品にあたえることに成功している。アルバムの中核をなす2曲目や5曲目といった大作は、作り込んだ構成といい、鏤められたソロの充実度といい、聴き応え充分である。もっとも、前作までのメンツによる壮絶なインタープレイの充実度という点では、更に手綱がゆるんだ感じがする人もいるかもしれない。どちらをとるかは人それぞれだろうが、個人的には「ロスト・トライデント」や「虚無からの飛翔」ならば、こちらの作品に軍配を上げたいところだ。

 それにしても、マクラフリンがマハビシュヌを再構成するにあたってキーボードをゲイル・モランにしたというのは、いかにもヤン・ハマーの扱いに疲弊していたかを物語ったいるようでおもしろい。「もう、あんな獰猛な鍵盤奏者はたくさん」と思っていたかどうか知らないが。 
コメント
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