69年制作のマクラフリンのデビュウ作らしい。メンツはブリティッシュ・ジャズの面々で、この時期は彼は英国というローカルなジャズのフィールドに登場した、よくいえば気鋭のジャズ・ギタリストだったというところなのだろう。音楽的には好き者の間で有名なブリティッシュ・ジャズの重鎮ジョン・サーマンのサックスとマクラフリンのギターをほぼ同比率でフィーチャーした双頭コンボといっていいようなスタイルで、このアルバムから、わずか2年後に結成されることなるマハビシュヌ・オーケストラの音楽を想像するのはなかなか難しい。音楽的にはフュージョンやジャズ・ロックというよりは、いかにも60年代末期の香りが濃厚な「英国製フリー・ジャズ」という感じがするからである。
めだつ曲を拾ってみよう、1曲目はリズムがころころかわる錯綜したテーマをマクラフリンとサーマンでユニゾンでもって執拗に演奏していくありたりは、いかにもマクラフリン好みな感じだが、ソロの方は割と普通、例の狂おしいようにテンションがのぼりつめていくようなところだとか、インド音楽的なエキゾシズム、ロック的なダイナミズムようなものはほとんどない。5曲目はアコギをイントロにもってきて、その後はサーマンとマクラフリンとの絡みで進んでいく瞑想的な一曲。7曲目はゆったりとしたリズムに始まり、次第に高潮していくマクラフリンのギターが聴きもので、ここにはその後のマイルス・バンドやマハビシュヌで開放されるロック・ダイナミズムの萌芽のようなものが感じれるのが興味深い。ついでに9曲目のスピード感とあばれ具合はなかなかロック的なもので、ひょっとすると、この曲あたりの演奏を聴いてマイルスはマクラフリンを誘う気になったんじゃないだろうかなどと邪推してしまったりする。ラストはちょいとインドの香りがするアコギのソロで、なんだか最後の最後でおそるおそる自分の趣味を開陳しているってな風情があるのは微笑ましい。
というワケでなんか煮え切らない作品のような書きぶりだけど、個人的にはこういう作品は大好きだ。英国製フリー・ジャズ特有の弛緩すれすれの緊張感と妙な虚脱感のようなものは、好き者にはたまらない世界だが、このアルバムもそうした逸品として聴くと実に味わい深い作品なのである。
めだつ曲を拾ってみよう、1曲目はリズムがころころかわる錯綜したテーマをマクラフリンとサーマンでユニゾンでもって執拗に演奏していくありたりは、いかにもマクラフリン好みな感じだが、ソロの方は割と普通、例の狂おしいようにテンションがのぼりつめていくようなところだとか、インド音楽的なエキゾシズム、ロック的なダイナミズムようなものはほとんどない。5曲目はアコギをイントロにもってきて、その後はサーマンとマクラフリンとの絡みで進んでいく瞑想的な一曲。7曲目はゆったりとしたリズムに始まり、次第に高潮していくマクラフリンのギターが聴きもので、ここにはその後のマイルス・バンドやマハビシュヌで開放されるロック・ダイナミズムの萌芽のようなものが感じれるのが興味深い。ついでに9曲目のスピード感とあばれ具合はなかなかロック的なもので、ひょっとすると、この曲あたりの演奏を聴いてマイルスはマクラフリンを誘う気になったんじゃないだろうかなどと邪推してしまったりする。ラストはちょいとインドの香りがするアコギのソロで、なんだか最後の最後でおそるおそる自分の趣味を開陳しているってな風情があるのは微笑ましい。
というワケでなんか煮え切らない作品のような書きぶりだけど、個人的にはこういう作品は大好きだ。英国製フリー・ジャズ特有の弛緩すれすれの緊張感と妙な虚脱感のようなものは、好き者にはたまらない世界だが、このアルバムもそうした逸品として聴くと実に味わい深い作品なのである。
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