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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
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ロッシーニ序曲集/カラヤン&BPO

2005年04月24日 15時27分04秒 | クラシック(一般)
 カラヤンが70年代初頭にベルリンを振ったロッシーニの序曲集です。ロッシーニ序曲集というと、ここ十数年ジュリーニがフィルハーモニアを振ったステレオ初期の録音をCD化したものを聴いてきたのですが、なんかこのところ(春のせい-笑)、休みの朝というと、なにげにロッシーニの序曲を聴きたくなってきたもので、さっき1,000円という価格のせいもあって、近くのショップで購入してまいりました。

 実をいうと、私が購入した最初期のクラシック・レコードのひとつが、「セビリアの理髪師」「雷鳴と電光」その他が入ったEP盤だったんですよね。確か1972年の夏頃、中学1年の時だったと思います。で、あまたのクラシックの名曲の中から、何故私が「セビリアの理髪師」を選んだのかといえば、当時大好きだったビートルズの映画第2作「ヘルプ/4人はアイドル」のエンドタイトルで、この曲がなんとも妙なSEとともに使われていたからでなんですね。最初はクラシックの名曲ということも知らなかったんですが、多分、学校のお昼の校内放送か何か知ったんでしょう。それで、購入してきたという訳です。演奏は本日購入してきたのと同じカラヤン、ただしオケはフィルハーモニアだったと思います。

 さて、当盤ですが、70年代初頭ということもあって、彼の持ち味である流れるようなレガートを多用し、壮麗かつ大柄な、良くも悪しくも全盛期のカラヤンらしさがよく出た演奏なんですが、なにせ10数年もジュリーニの演奏に慣れ親しんできたものですから、同じスコア使ってこうも違う演奏になるものか?と、少々びっくりしているところです。

 ジュリーニ&フィルハーモニアの演奏は、まぁ、EMIのステレオ録音初期の特有の細密画的な録音のせいもあるでしょうが、あくまでも弦楽器で奏でられる旋律がメインにして、全体はコンパクトで軽やかな機動力に富んだ演奏だったと思うのですが、当盤は深々としたバスを土台にしたいかにも重厚なドイツ風な音で、聴こえてくる音はシンフォニックそのもの。ジュリーニのがモーツァルトだったとすると、こっちはベートーベンくらいの違いを感じます。

 いや、もちろん、演奏がカラヤン&BPOで、71年という全盛期の録音ですから、演奏が鈍重ということはありません。「セビリアの理髪師」の本編など、アンサンブルはほとんど曲芸みたいな巧さで、しばし聴きほれるくらいに抜群なものがありますが、どうもカラヤン自身の解釈なのか、同じ頃の録音したモーツァルトなんかと同じで、アレグロのところがせかせかと早すぎ、たたみ込むようなコーダはちょい遅すぎるみたいな、そういう違和感ないでもないです。

 んー、という訳でせっかく購入して当盤ですけど、休日の朝に聴くって感じじゃないなぁ。その意味ではジュリーニの勝ち。実をいうとアバド&LSOの序曲集も既に購入済みなんですが、こっちはどうにんだろう??。まっ、それについてはゴールデンウィークのお楽しみということで、しばらくはカラヤンの演奏に聴きこんでみようと思います。
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映画を彩るピアノ協奏曲集

2005年04月24日 00時05分55秒 | サウンドトラック
 NAXOSから数年前に出た、ハリウッド製の映画音楽をピアノ協奏曲化した作品ばかりを集めたアルバムです。4月20日に書いたKOCHのアルバムと似たような企画ですが、こちらの方が、収録した作品の知名度や作品の美しさなどという点で一版向けですかね。演奏はプロインシャス・オドゥイン指揮のRTEコンサート・オーケストラ、ビアノはフィリップ・フォークです。これも自分用にメモしてみます。

 01. アディンセル/ワルソー・コンチェルト(デンジャラス・ムーンライト)
 アディンセルはイギリスの映画音楽家です。本国ではどうか分かりませんが、一般的にはこの1曲だけが世界的に知られている人だと思います(なにしろリチャード・クレイダーマンもやってるくらいですからね)。映画「デンジャラス・ムーンライト」の音楽らしいのですが、どういう映画で、どう使用されたたんでしょうね。ちなみに音楽にはご存じのとおり、ラフマニノフ的憂愁とチャイコ的壮麗さを多少メロディックにしたような仕上がり。

 02. ビーバー/イスラの肖像(ザ・ケース・オブ・ザ・フライトゥンド・レディ)
 初めて聴く曲です。ビーバーという作曲家、そして「ザ・ケース・オブ・ザ・フライトゥンド・レディ」という作品の詳細は全くわかりません。冒頭はのみやけに精力的で、ピアノ協奏曲っほいですが、本編の方は感傷的で甘いロマンティックさが横溢したいかにも映画音楽的雰囲気です。

 03. ローザ/白い恐怖協奏曲(白い恐怖)
 「白い恐怖」の音楽は、ミクロス・ローザの代表作です(アカデミー賞受賞)。この音楽はいろいろな長さ、編成のピアノ協奏曲化されているようですが、これはもっともオーソドックスな版で、有名なテーマ部分を額縁に、グレゴリー・ペックがサイコチックになるこれまたテレミンの部分、ピクニックの場面の音楽を中間部に構成して、映画中の主要な旋律は全て聴くことができます。ピアノとのオケの絡みも非常に有機的で、まるで最初からピアノ協奏曲のようです、

 04. ロータ/魔の山の伝説(魔の山)
 ニーノ・ロータはフェリーニの音楽で有名ですが、この曲は知りませんでした。ラフマニノフ風な外観の中から、一度聴いたら忘れられないようなイタリア的な哀愁の旋律が顔を出すあたりは、いかにもニーノ・ロータですね。彼は映画音楽と平行して純音楽の分野でもいくつかの作品を発表していたようですが、やっぱりこの手の旋律が出てくるんでしょうか。

 05. ベネット/主題とワルツ(オリエント急行殺人事件)
 40~50年代の作品からの音楽ばかりで構成されているこのアルバムでは、一番新しい曲(74年)。前述のワルソー・コンチェルト風な時代がかったビアノ協奏曲風なテーマを持ち、このテーマがラウンジ・ミュージック、ウィンナ・ワルツに変奏されるという構成。デビッド・ラスキンの「ローラ殺人事件」なんかと同じ趣向ですが、もうちょっと長く聴きたいです。

 06. バス/コーニッシュ・ラプソディ(ラブ・ストーリー)
 これも作曲家、作品ともに全く初めての作品。ご多分にもれずラフマニノフ風な音楽で、彼のピアノ協奏曲第2番の第1,2楽章を6分に圧縮したような趣ですが、大胆な不協和音を使用してみたり、ピアノに印象派風フレーズが出てきたりとモダンな点もちらほら。また、ピアノ協奏曲的な雰囲気も濃厚で、この点ではこのアルバム中12を争う出来です。

 07. ハーマン/死の協奏曲(戦慄の調べ)
前回書いた「B.HERRMANN, F.WAXMAN, A.NORTH / Paradine Case」にも収録されていた作品です。前回も書いたとおり、名作「幽霊と未亡人」を思わせる壮麗でロマンティックなテーマが魅力的。また、わずか12分の曲ですが、よくよく聴くとこの作品。リストの協奏曲ばりに一楽章制のピアノ協奏曲の体裁を整えているんですね。いやぁ、さすがです。

 08. ウィリアムズ/オーウェンの夢(ワイル・アイ・リブ)
 これまた作曲家、作品ともに全く初めての作品です。額縁を構成するテーマ部分は、チャイコフスキーのピアノ協奏曲の雰囲気にかなり近い印象で、まんまみたいな部分も出てきます。ただし、中間部いかにもいかにもなハリウッド調に転じてドラマチックに盛り上がりを見せるあたりはこの作曲家の個性なんでしょう。その分、ピアノ協奏曲的なムードは後退気味ですが。

 09. ペナリオ/ミッドナイト・オン・ザ・クリフ(ミッドナイト・オン・ザ・クリフ)
 レナード・ベナリオって確か有名なピアニストだった思いますか、こういう映画音楽も作っていたんですね。曲は半音階で進むちょっと退廃的な旋律が印象的なのですが、やはりピアニストが作った曲だけあります。名技性の高いフレーズが連打して、どっちかというと、ショパンのピアノ協奏曲の緩徐楽章みたいな、オーケストラ付きのピアノ・デモ・ピースみたいな感じになっちゃいますから....(笑)。
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