このアルバムのサブタイが「plays the music of W.Shorter」となっていることからも分かるとおり、ウェイン・ショーターばかりをとりあげたアルバムです。私は60年代後期のマイルスや70年代前半のウェザー・リポートあたりの諸作に散見する、ショーター的に「変な感じ」が、どうも音楽的に楽しめないクチだったんですが、このアルバムはいいです。
ピエラヌンツィはショーターの持つ、土俗的ダイナミズムとか、ある意味オカルトチックな部分をきれいさっぱり洗い流して、ショーターの作曲した曲をまるで印象派の音楽かの如く聴かせてくれるのは、まさに目からウロコ状態です。
で、この場合、印象派っぽいといってもラベルのそれじゃなくて、ドビュッシー風なところがミソなんですね。ドビュッシー風はけっこう理知的で技巧的な音楽をウェットなユーモアやともかく感覚的な惹きつけられる響きにのせて表現しましたが、ピエラヌンツィショーターの曲をこうした線で解釈しているように思えます。
例えば8曲目は有名な「ピノキオ」ですが、今から思えば、オリジナル演奏は新主流派風というか、オーソドックスなジャズ的アレンジにのせてしまったせいで、この曲の「変な感じ」を非常に難解にしてしまったようなところがあると思うのですが、ピエラヌンツィは、このテーマを感覚的に気持ち良い響きに和音を強調することや一見脈絡のないモチーフのつながりをドビュッシー的なエスプリに還元して演奏しているあたり、このアルバムを象徴している部分かと思います。まぁ、屁理屈はこのくらいにしておくとして、とにかもかくにもこのアルバム、ショーターの曲ってこんなに、美しい響きをもった音楽だったのか、とても新鮮な驚きを与えてくれるところが素晴らしいですね。
もちろん、ショーターの曲だからといって、いつのピエラヌンツィらしさが後退している訳ではなくて、4曲目の「ESP」など彼らしい敏捷なスピード感とフリー的なスリルを味合わせてくれますし、タイトル・チューンともなっている「インファント・アイズ」や「ネフェルティティ」など、最近、私が愛聴している欧州ジャズ・ピアノっぽいロマンティックさ美しさを堪能させてくれてくれます。くどいようですが、ショーターの曲がこうしたヨーロッパ調なピアノとこれほどマッチするとはほんとに意外です。
ピエラヌンツィは近年、モリコーネとかフェリーニなどの作曲家シリーズみたいな企画が多く、なかでもモリコーネ集は有名ですが、このアルバムはそうした枠を超えた彼の傑作の1つじゃないでしょうか。とにかく愛聴盤です。
ピエラヌンツィはショーターの持つ、土俗的ダイナミズムとか、ある意味オカルトチックな部分をきれいさっぱり洗い流して、ショーターの作曲した曲をまるで印象派の音楽かの如く聴かせてくれるのは、まさに目からウロコ状態です。
で、この場合、印象派っぽいといってもラベルのそれじゃなくて、ドビュッシー風なところがミソなんですね。ドビュッシー風はけっこう理知的で技巧的な音楽をウェットなユーモアやともかく感覚的な惹きつけられる響きにのせて表現しましたが、ピエラヌンツィショーターの曲をこうした線で解釈しているように思えます。
例えば8曲目は有名な「ピノキオ」ですが、今から思えば、オリジナル演奏は新主流派風というか、オーソドックスなジャズ的アレンジにのせてしまったせいで、この曲の「変な感じ」を非常に難解にしてしまったようなところがあると思うのですが、ピエラヌンツィは、このテーマを感覚的に気持ち良い響きに和音を強調することや一見脈絡のないモチーフのつながりをドビュッシー的なエスプリに還元して演奏しているあたり、このアルバムを象徴している部分かと思います。まぁ、屁理屈はこのくらいにしておくとして、とにかもかくにもこのアルバム、ショーターの曲ってこんなに、美しい響きをもった音楽だったのか、とても新鮮な驚きを与えてくれるところが素晴らしいですね。
もちろん、ショーターの曲だからといって、いつのピエラヌンツィらしさが後退している訳ではなくて、4曲目の「ESP」など彼らしい敏捷なスピード感とフリー的なスリルを味合わせてくれますし、タイトル・チューンともなっている「インファント・アイズ」や「ネフェルティティ」など、最近、私が愛聴している欧州ジャズ・ピアノっぽいロマンティックさ美しさを堪能させてくれてくれます。くどいようですが、ショーターの曲がこうしたヨーロッパ調なピアノとこれほどマッチするとはほんとに意外です。
ピエラヌンツィは近年、モリコーネとかフェリーニなどの作曲家シリーズみたいな企画が多く、なかでもモリコーネ集は有名ですが、このアルバムはそうした枠を超えた彼の傑作の1つじゃないでしょうか。とにかく愛聴盤です。