マックス・スタイナーといえば、なんといっても「風と共に去りぬ」「カサブランカ(ただし、As Time Go byはスタイナーの作品ではありません)」の音楽が有名ですが、実はこの人、エーリッヒ・コルンゴールドやアルフレッド・ニューマンと並ぶハリウッド映画音楽の草分けです。例のロマンティックな旋律をゴージャスなオーケストレーションで朗々と鳴らす、あのスタイルを創始した人のひとりという訳です。
この作品は彼が1944年に担当した「The Adventures Of Mark Twain」という作品の再録盤です。日本未公開な作品のため、もちろん私は映画を観ていませんし、内容もよくわかりませんが(あの文豪の伝記?)、アカデミー賞とっているくらいですから、代表作の1つなんでしょう。なお、演奏はウィリアム・ストロンバーグ&モスクワ交響楽団で、レーベルは最近映画音楽の再録(フィルム・ミュージック・クラシック・シリーズ)にも熱心なNaxosです。
内容ですが、冒頭のメイン・タイトルからしてお馴染み「タラのテーマ(風と共に去りぬ)」と共通するようなスタイナーらしい朗々たるものです。スタイナーはオーストリア出身なので、この旋律も基本的にはウィーン風というか、早い話、ヨハン・シュトラウスのワルツの前奏部分みたいな感じなのですが、やや土臭く鄙びたところがあるのは映画のムードに合わせてのものなんでしょうか。ともあれアルバムにはこのテーマが、様々に形を変えて循環し、いかにも映画的な情景を彷彿とさせてくれます。
また、全体に瑞々しい感じの曲が多く、オーケストレーションもあくまでもヴァイオリンの旋律をメインにしながらも、グロッケン等の打楽器類を多用して、立体的に仕上げているのも特徴かもしれません。同じウィーン出身のハリウッド草分けでもエーリッヒ・コルンゴールドが男性的で金管を全面に出したダイナミックさが特徴だとすると、スタイナーはそれとは対照的にヴァイオリンのメインにして、女性的に優美なところが頻繁に出すのが持ち味だと思いますが、このアルバムの調所で聴ける立体的なオーケストレーションで演出された瑞々しさなども特徴のひとつかもしれません。
あと、印象的なのは8曲目で、お馴染みのアメリカ民謡「Oh! My Darling Clementain(雪山賛歌?)」のテーマが金管で登場するあたりですかね。スタイナーの師匠は、かのマーラーだということですが、その引用の仕方というか、唐突さがちょいマーラーを思わせると勘ぐれないでもないです。
最後に音質ですが、このシリーズは通常のMaxos盤に比べ、低域が量感があり、マッシブな迫力も感じられるものが多いですが、このアルバムも例外ではなく、随所にデモンストレーション的HiFi効果が感じられるのが楽しいところです。
ちなみにこのディスクはSACDで、一応CD層の方も聴いてみましたが、こうした高域の打楽器を多用しているオーケストレーションだと、打楽器と弦楽器がキレイに分離してSACDの分解能の高さを痛感します。またステージの奥行きみたいなものもSACDは良く出ています。やっぱオーケストラ物でCDはSACDにかないません。
なお、このアルバムDVD-Audio盤もあるようです。そっちの音はどうなんだろう???。
この作品は彼が1944年に担当した「The Adventures Of Mark Twain」という作品の再録盤です。日本未公開な作品のため、もちろん私は映画を観ていませんし、内容もよくわかりませんが(あの文豪の伝記?)、アカデミー賞とっているくらいですから、代表作の1つなんでしょう。なお、演奏はウィリアム・ストロンバーグ&モスクワ交響楽団で、レーベルは最近映画音楽の再録(フィルム・ミュージック・クラシック・シリーズ)にも熱心なNaxosです。
内容ですが、冒頭のメイン・タイトルからしてお馴染み「タラのテーマ(風と共に去りぬ)」と共通するようなスタイナーらしい朗々たるものです。スタイナーはオーストリア出身なので、この旋律も基本的にはウィーン風というか、早い話、ヨハン・シュトラウスのワルツの前奏部分みたいな感じなのですが、やや土臭く鄙びたところがあるのは映画のムードに合わせてのものなんでしょうか。ともあれアルバムにはこのテーマが、様々に形を変えて循環し、いかにも映画的な情景を彷彿とさせてくれます。
また、全体に瑞々しい感じの曲が多く、オーケストレーションもあくまでもヴァイオリンの旋律をメインにしながらも、グロッケン等の打楽器類を多用して、立体的に仕上げているのも特徴かもしれません。同じウィーン出身のハリウッド草分けでもエーリッヒ・コルンゴールドが男性的で金管を全面に出したダイナミックさが特徴だとすると、スタイナーはそれとは対照的にヴァイオリンのメインにして、女性的に優美なところが頻繁に出すのが持ち味だと思いますが、このアルバムの調所で聴ける立体的なオーケストレーションで演出された瑞々しさなども特徴のひとつかもしれません。
あと、印象的なのは8曲目で、お馴染みのアメリカ民謡「Oh! My Darling Clementain(雪山賛歌?)」のテーマが金管で登場するあたりですかね。スタイナーの師匠は、かのマーラーだということですが、その引用の仕方というか、唐突さがちょいマーラーを思わせると勘ぐれないでもないです。
最後に音質ですが、このシリーズは通常のMaxos盤に比べ、低域が量感があり、マッシブな迫力も感じられるものが多いですが、このアルバムも例外ではなく、随所にデモンストレーション的HiFi効果が感じられるのが楽しいところです。
ちなみにこのディスクはSACDで、一応CD層の方も聴いてみましたが、こうした高域の打楽器を多用しているオーケストレーションだと、打楽器と弦楽器がキレイに分離してSACDの分解能の高さを痛感します。またステージの奥行きみたいなものもSACDは良く出ています。やっぱオーケストラ物でCDはSACDにかないません。
なお、このアルバムDVD-Audio盤もあるようです。そっちの音はどうなんだろう???。