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スウィング・アウト・シスター/アナザー・ノン・ストップ・シスター

2005年04月16日 23時09分46秒 | ROCK-POP
 スウィング・アウト・シスターといえば、バブル華やかなりし頃登場した、いわゆる「オシャレな音楽」をやる洋楽バンドとして登場したバンドですが、個人的にこのグルーブで一番好きなのは、やっぱ大ヒット曲「ブレイクアウト」を含むデビュウ作です。
 彼らはご存じのとおり現在でも活動中ではありますし、むしろ日本で人気が定着したのはむしろ2作目以降という言い方もできるとは思いますが、2作目以降はバカラック、ソウル、映画音楽といった彼らの好きな音楽を、自分たち流に翻訳することにばかりに埋没してしまい、デビュウ作にあったきらびやかなポップ性だとか、緊張感のようなものがなくなってしまったような気がするんですね。

 実際このアルバムは、80年代初頭頃のテクノ・ポップの方法を上手にポップに応用したエレクトロ・ポップの傑作だと思います。昔、某音楽雑誌にこのアルバムを称して、スクリッティ・ポリッティとプロパガンタのデビュウ作と並んで80年代のエレポップ3大傑作....みたいな記事ありましたけど、同じこと考えている人いたのかとうれしくなりました。
 で、前述のエレポップ的にこのアルバムを考えると、マーティン・ジャクソンのドラムスと随所に仕掛けられたテクノ風なリズムの対比がまずおもしろいです。元々彼はマガジンというニュー・ウェイブ系のバンドでバンクなドラムを叩いて訳ですが、その彼がこうしたジャジーでソウルっぽい音楽指向するバンドで、ばりばりにシーケンスパターンを張り巡らせたアレンジの中、ドラムを叩いていること自体、そもそもミスマッチングだった訳ですけど、逆に言えばミスマッチングであるが故にこのアルバムには独特の緊張感とポップさが出たともいえる訳で....とまぁ、屁理屈はこのくらいにしておきますが、ともあれ、そのあたりは「ブレイクアウト」のイントロで聴けるパンクなドラムを聴けば、一聴?瞭然ですよね。

 ところで、これまで書いてきた彼らのデビュウ作はもちろん「It's Better To Travel」のことですが、実は私が好んで聴くのは、これをアルバムごと別ヴァージョン化した「Another Non-Stop Sister」の方。このアルバムはおそらく「It's Better To Travel」からシングル・カットされた曲の12インチ・シングル・ヴァージョン等ばかりで構成されていると思うんですが、全体にリズムが表に出したダンサンブルなものが多く、現在の感覚からするとこちらの方が楽しめます。「Blue Mood」をダブっぽいテクノ・アレンジで再構成してみたり、「Surrender」の途中でアート・オブ・ノイズっぽいロマンティックなアコピを入れてみたりと、オリジナルよりおもしろいくらい....
....と、ここまで書いて、ものはついでとばかりに、この2枚のデビュウ作のおいしいところを抜き出して、私好みのアルバムをでっちあげてみました。今、CDR化したものを聴いているところですが、いゃぁサイコーです。もうこれで2枚をとっかえひっかえしなくて済みます(ちなみに曲目は以下のとおり)。

01. Breakout (A New Rockin' Version) / 02. Twilight World (Superb, Superb Mix)* / 03. After Hours* / 04. Blue Mood (Dubbed Up Version) / 05. Surrender (Stuff Gun Mix)*

06. Fooled By A Smile (Ralph Mix) / 07. Another Lost Weekend (Long Version) / 08. Communion (Instrumental)* / 09. Surrender (Road Runner Mix) / 11. Twilight World (Remix)* / 12. Breakout (Horney Version)

*=It's Better To Travel
コメント
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