なにをかいわんやの名盤です。「テイク・ファイブ」は某CM効果もあって、目下の日本では、「モーニン」とか「枯葉」あたりを抜いて、おそらく一番有名なジャズ・ナンバーなんじゃないですね。かくいう私も、1970年代初頭頃にこれのシングル盤を購入したことがあって、おそらくこれが私が一番最初に購入したジャズ・レコードだったように思います(ちなみに次がマイルスの「フォア&モア」)。今回はこれのSACD盤を購入してきました。
私がこれまで聴いてきたCDは、80年代前半くらいに購入したもので、さすがに昨今のリマスタリングで音質を上げたものと比べると、カッティング・レベルは低いし、音像はボケ気味という印象を受けるような音質でしたが、このSACDでは1曲目の「トルコ風ブルーロンド」のイントロで聴こえるモレロのシンバルの音のリアルさからして違います。金物っぽく輪郭がくっきり聴こえるというよりは、ライド・シンバル特有の音の減衰が良く聴きとれる感じです。また、デスモンドのサックスはもともと音の角がまるいせいで、なんとなくピアノ・トリオのなかに埋も気味な場面がなくもなかったですが、SACDでは終始その存在感がくっきりしているように感じましたし、ベースやバスドラムもくっきりと聴こえます。まぁ、要は分離が良くなったということなんでしょうが、場の空気のようなものまで感じられるように聴こえるのは、SACDという器のおかげなんでしょうね。
という訳で実に久々に聴いた「タイム・アウト」ですが、個人的には「テイク・ファイブ」より、「トルコ風ブルーロンド」の変拍子と4ビートが錯綜する部分とか、5曲目「キャシーズ・ワルツ」のリズムとピアノが複音楽風になるあたりのおもしろさが好きですね。そうそう、あと改めて再認識したのは、デスモンドのアルト・サックスの歌心。ブルーベックのつくるテクニカルな仕掛けを、この人が吹いたからこそ、このカルテットは単なるテクニカルな実験ジャズではなく、ジャズ的リラクゼーションに満ちた音楽になったってこと。まっ、このあたりの理屈はともかく、オッサンになってくると、とにかくこういうサックスは沁みます。
余談ですが、アルバム聴きながら、今回またしても「えっと、「アンスクウェア・ダンス」は何曲目だっけ?」と探してしまいました。LPも、CDも必ず間違えて探してたんですよね。もちろん、この曲が入っているのは、「タイム・アウト」じゃなくて「タイム・ファーザー・アウト」なんですけど、実は前述のシングル「テイク・ファイブ」のB面が「アンスクウェア・ダンス」だったもんで、その時の印象が強烈で未だに混同しちゃうようです。きっと、もう直らんだろうなぁ。
私がこれまで聴いてきたCDは、80年代前半くらいに購入したもので、さすがに昨今のリマスタリングで音質を上げたものと比べると、カッティング・レベルは低いし、音像はボケ気味という印象を受けるような音質でしたが、このSACDでは1曲目の「トルコ風ブルーロンド」のイントロで聴こえるモレロのシンバルの音のリアルさからして違います。金物っぽく輪郭がくっきり聴こえるというよりは、ライド・シンバル特有の音の減衰が良く聴きとれる感じです。また、デスモンドのサックスはもともと音の角がまるいせいで、なんとなくピアノ・トリオのなかに埋も気味な場面がなくもなかったですが、SACDでは終始その存在感がくっきりしているように感じましたし、ベースやバスドラムもくっきりと聴こえます。まぁ、要は分離が良くなったということなんでしょうが、場の空気のようなものまで感じられるように聴こえるのは、SACDという器のおかげなんでしょうね。
という訳で実に久々に聴いた「タイム・アウト」ですが、個人的には「テイク・ファイブ」より、「トルコ風ブルーロンド」の変拍子と4ビートが錯綜する部分とか、5曲目「キャシーズ・ワルツ」のリズムとピアノが複音楽風になるあたりのおもしろさが好きですね。そうそう、あと改めて再認識したのは、デスモンドのアルト・サックスの歌心。ブルーベックのつくるテクニカルな仕掛けを、この人が吹いたからこそ、このカルテットは単なるテクニカルな実験ジャズではなく、ジャズ的リラクゼーションに満ちた音楽になったってこと。まっ、このあたりの理屈はともかく、オッサンになってくると、とにかくこういうサックスは沁みます。
余談ですが、アルバム聴きながら、今回またしても「えっと、「アンスクウェア・ダンス」は何曲目だっけ?」と探してしまいました。LPも、CDも必ず間違えて探してたんですよね。もちろん、この曲が入っているのは、「タイム・アウト」じゃなくて「タイム・ファーザー・アウト」なんですけど、実は前述のシングル「テイク・ファイブ」のB面が「アンスクウェア・ダンス」だったもんで、その時の印象が強烈で未だに混同しちゃうようです。きっと、もう直らんだろうなぁ。