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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
プログレに特化した別館とツイートの転載もはじました

LED ZEPPELIN / How the West Was Won (DVD Audio)

2005年04月02日 15時15分01秒 | ROCK-POP
 1972年6月25日カリフォルニアのLAフォーラム、同27日ロング・ビーチ・アリーナにて行なわれたパフォーマンスを組み合わせて構成されたライブ盤です。フォーマットとしてはCD(3枚組)とDVD-Audio(2枚組)が出ているようですが、私といえば5.1chの音がどうなっているか興味ありましたし、CDより少しでも良い音質で聴きたいとの理由(16bit/44Khz->24/48)からDVD-Audio盤の方を購入しました。なお、CDもDVD-Audioも収録曲は同じようです。
 
 演奏の方はといえば、まさに72年という時代の音ですね。当時の英米ロック全般の趨勢として、60年代後半~70年代初頭あたりの「怒濤のパワーとその垂れ流し状態」が、徐々に制御されつつ洗練された時期に当たっていたと思うんですが、レッド・ツェッペリンもまさにそういう成熟期的な時代状況を感じさせる演奏になっていると思います。
 アルバム冒頭の「移民の歌」「ハートブレイカー」「ブラック・ドッグ」とヒット曲を連打した後、「丘のむこうに」と「貴方を愛しつづけて」で気分を変えて「天国への階段」でハイライト、以降アコスティック・セットに移行....ってな構成は、実にコントロールされ、巧緻ですら構成ですからね。個人的な好みとしては、映像版DVDでみることのできた、これ以前のライブの方が、ロック的な混沌、スリル、凄みがあって好きなのですが、こちらは完璧に完成され尽くした横綱相撲もみたいな凄さはあります。まっ、ディープ・パープルでいったら、「メイド・イン・ジャパン」みたいなもんですかね。

 音の方ですが、マルチ・マスターが残っているんでしょう。様々なデジタル技術を駆使してサントラ「永遠の詩」と同時期の同スタッフによる収録とは、にわかに信じがたい生々しいライブ的な雰囲気に溢れた音にクリーンアップされてます。今的な感覚からいうと、もう少しボーナムのバスドラが重く響いてもよかったかなとも思いますが、おそらくジミー・ペイジにはこのようにボーナムのドラムが、当時聞こえていたんでしょうし、客観的にみてほとんどこれ以上はないウェルバランスです。
 問題の5,1ですが、リアはほとんどホールの残響音とオーディエンス・ノイズばかりで、それほど派手なことはしていません。もっとも誰もが予想するように「幻惑されて」その他のギター、「モビー・ディック」のドラム・ソロがリアに音が回ったりしますが、これも特に違和感ない味付け程度です。

 それにしても、ジョン・ボーナムのドラムってほんとうに凄いなぁ。個人的イメージとしては、ミスター・レッド・ツェッペリンっていったら、ページでもプラントでもなくて、完璧にジョン・ボーナムですね。「胸いっぱいの愛を」を続くロックン・ロール・メドレーで、なんてことのない8ビート刻んでも、ツェッペリン以外の何者でもない感じがするのは、まさにボーナムのグルーブ感=ツェッペリンだからじゃないですかね。ともあれ、この人が夭折してしまったのは、ロック界でほんとうに大きな損失でした。生きていたらデニス・チェンバース以上の存在になっていたんじゃないでしょうか。


 <ディスク1>
01.LA-ドローン 02.移民の歌 03.ハートブレイカー 04.ブラック・ドッグ
05.丘のむこうに 06.貴方を愛しつづけて 07.天国への階段 08.カリフォルニア
09.ザッツ・ザ・ウェイ10.スノウドニアの小屋 11.幻惑されて

 <ディスク2>
01.強き二人の愛 02.ダンシング・デイズ 03.モビー・ディック 04.胸いっぱいの愛を
05.ロックン・ロール 06.オーシャン 07.ブリング・イット・オン・ホーム
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ZARD / Live At The Pacific Venus

2005年04月02日 00時36分53秒 | JAPANESE POP
 いわゆるベスト盤(The Single Collection)、次がファンからのリクエストによるベスト盤(Request Memorial)と続いて、そこに入っている応募券から抽選で選ばれた600名が招かれ開かれた洋上のコンサートのライブ盤である。このところZARDはこの手の「活動のまとめ」に入っていて、守りに回ったZARDクリアランス・セール状態なのは、ファンとしてはちょっと哀しいところではある(笑)。
 
 さて、内容だが、前2作に続いてこれまたベスト盤的選曲だし、コーラスやキラ物を含め、気味悪いほどスタジオ版のアレンジを尊重した演奏内容で、全体としては完璧に今時な「ベスト・オブ・ライブ」という感じである。坂井泉のヴォーカルは、これまでライブをやらなかったことから推測して、ライブではメロメロなんじゃないかとも思ったのだが、意外とそうでもなく(笑)、まぁまぁそつなくこなしているってところ。逆にそつなくこなしていないのが、純朴で緊張しまくってるってな風情なMC。ただ、坂井泉って人は、CD以外のメディアでは全てある種ヴェールの奥に隠されていたワケで、ここで彼女の地声が聴けるだけで、逆に有難味を感じてしまう人もいるだろう(いや、私のことなんですけどね-笑)。
 有難味といえば、オマケで付いてくるCD-ROMに約15分のダイジェストとはいえくだんのライブ映像が収録されているのは有り難い。それで見ると、ライブでも坂井泉はCDのジャケのイメージのままである。アクションや派手な振りはほぼ皆無に等しく、顔も無表情、終始淡々歌ってるってな感じである。その様は悪く言うと木偶の坊、よく言えばかげろうの如き淡い風情といえようか。

 そんなワケで、今回のアルバム(ライブ)でも従来のZARDのイメージは堅持されたのであった。しかし、これだけアルバムを重ねても、いっこうに見えてこない等身大の彼女とは一体なんなのか?。ファンはそれに渇望して、次のアルバムをもまた購入することになる....。うまい商売ではあるのだが、そろそろこの戦略も限界に来ているのではないだろうか。一連のクリアランス・セールが次の段階に向けてのものなのか、はたまた手詰まりなのか、そのあたり次の新作で明らかになるのだろう。
しょうね。

 最後に、このアルバムの異様な音のバランスだけはどうしても指摘せねばなるまい。いかなる意図かは知る由もないが、異様なほどヴォーカルが遠景に追いやられたミックスされた音はさながらブートか、ドア越しに聴くライブハウスの音のようである。まったくの邪推だが、ひょっとすると録音時にヴォーカル・パートの録音ミスかなにかで、マルチマスターにヴォーカルが録れておらず、他の楽器のトラックにからくも収録されていたヴォーカルをなんとか持ち上げてここまで補正したんじゃないと思えるくらいだ。とにかく非常にサイテーなバランスである。(2000年7月9日)


※ 「次の新作で明らかになるのだろう」などと書きましたが、結局は手詰まりだったなんでしょう。良く言えば「永遠のワンパターン」。以来、ちゃんとしたアルバムは1枚くらいしか出していなんじゃないのかな。まぁ、シングルだけで勝負しているのかもしれないけれど、それにしたって「これだっ!」って曲に出会わなかったのもまた事実。気がついたら、ZARDに関する興味は大分後退してしまいました。
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