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トリオセンス/ファースト・エンチャントメント

2005年04月09日 01時26分50秒 | JAZZ-Piano Trio
 ベルンハルト・シューラーというドイツの新人ピアニストのデビュウ作です。ドイツのジャズ・コンペで新人賞を受賞したのがきっかけで作られたアルバムのようですが、なるほどフレッシュな魅力があります。

 基本的にはこの人もご多分に漏れずヨーロッパ系のロマンチックなピアノを弾く人だと思うのですが、この手のピアニストにありがちなビル・エヴァンスやキース・ジャレットあたりの呪縛があまりないのが特徴で、基本的にフュージョン的なリズムやコード進行を多用し、パット・メセニー風な透明感やアンドレ・ギャニオンみたいな情緒を見せるなど、どちらかといえば、ピアノ・トリオによるニューエイジ系フュージョンといった仕上がりです。したがって、ニューエイジ風なジャズといっても、基本的には4ビート・ジャズをベースにした音楽を堅持しているティエリー・ラングあたりとは、一聴して異質、新世代らしく柔軟でアップトゥデートな感覚が強いというか、今風な印象を受けます。

 曲は全てオリジナルですが、なんといっても冒頭の「waltz for andrea」が印象的です。まるで映画音楽にでも流用できそうなセンチメンタリックで、ロマンティックなムードから、クラシカルでピアニスティックなテクニックを多用した中間部で大きく盛り上げるあたりの手腕はなかなかのもので、まずはこのアルバムの代表曲ということになるんじゃないでしょうか。2,10曲目はトラディショナルな旋律とリズムを素材としているのが、ヨーロッパの人らしいセンス。6,11曲目はティエリー・ラングと共通するようなオーソドックスなヨーロッパ・パターン。残りの曲はおしなべて前述の「ピアノ・トリオによるニューエイジ系フュージョ」といった感じです。

 この人、最近2枚目も出したようですが、このアルバムの感じからするとかなり期待できそうですね。近いうちに購入してみようと思います。

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