テレビ修理-頑固親父の修理日記

古いテレビ、ラジオ、カーラジオ、アンプ、プレーヤ、電話機の修理のご案内です。古い物でしたら何処の国の物でも略OKです

DeForest, Audion の復刻

2014-11-10 18:03:37 | Weblog

 

以前 Deforest の Audion のレプリカを譲った AWC のメンバーの一人Kさんがアレコレ実験をしている内
にフィラメントを切って仕舞ったと聞きガッカリしたが、彼が懸命に探した結果、細渕電球 さんがレプ
リカの製造に取り組んでくれることになり今日排気を行ったとの報告を貰ったが、その後ガスを封入す
ると聞きそれは拙いと連絡したが既に封入して仕舞ったとのことだったので先ずはその状態で動作を診
ることになった。

明日それがこちらに届くので簡単な実験用のアダプタを作った。上はフィラメントが断線していた5Z3。

折角なので久し振りに手元に在る1920年代の真空管の動作を確認してみることにした。

Western Electric の VT2, 216-A 等に久し振りに通電したが15年程前にテストした際の状態と変わりは
無く、当時良好だった物は今回も引き続き良好な値を示した。

上はフランス・オリジンと想われる物のレプリカで何時、誰から譲って貰ったか覚えていないが確かチェコか
当時のユーゴスラビアの人間とコンタクトしていて彼が日本に来た際一度会って直接購入した記憶が有る。

上は手持ちのテニスボール(その形状からこう呼ばれる)では唯一の元箱入り W.E. 216-A

上の物も確かチェコかユーゴスラビアの人間から買ったと記憶しているが絶対では無い。

VAIC Valve 製の RE 71 のレプリカ、2本の内の1本は何とか動作した。(REと云うことからドイツ・オリジ
ンと想われるが明日にも確認してみよう)

上の N R のレプリカも一応動作したが、下の RE 71 のレプリカの方は真空度が低下しておりグロー
放電が見られた。

グロー放電して仕舞った RE 71 に付けられていたデータ・シートで当初は良好に動作した様だった。

上は FOTOS Blue のレプリカでこれも一応動作していた。 下は内部が壊れていたり真空度が低下して
仕舞った VT2 や 216-A

グロー放電を起こしている 216-A で可成り真空度が低下している様だった。

当時の Western Electric の金属ベースの物には型番だけでなくパテントの取得日時、或いはその真空管
の使用目的を規定した文章が刻印されている物が有る。 例えば 216-A には Licensed for use only as a
part of the Western Electric loud speaking telephone outfit と謳われている。 またピンの先端には信頼性
を増す目的と想われる別の金属チップが付けられている(下の画像)。

11月11日 届いた試作品のテストを開始した。 フィラメントの定格電圧を加えるのは憚られるのでその2割
減程からスタートし、徐々に電圧を上げていった結果(予想通り)明るい紫のグロー放電が発生したのでそ
の状態を撮影しようと再度同じ電圧を印加してみたが何故かこの放電は起こらなかった。 その後フィラメン
ト電圧を上げ、念の為gmも測定してみたが(予想通り)全くゼロのままだった。  しかし何故グロー放電が
その後発生しなかったのかが解せない。 今回封入されたアルゴンガスの量(濃度)に起因しているのか?

11月22日 再度排気を行ったものをKさんがこれまで使っていた2極管検波回路で動作を確認してみた
が動作しないとのことだった。 そんなことは無いのではと想い今日お持ち頂き動作を診てみた。

フィラメント定格4Vでの gm は約400μ mho 有り、問題なく使えると想われる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

スタンダード SR-H438, Micronic Ruby (1965)

2014-11-08 15:07:34 | Weblog

今日お預かりしたのはスタンダードのマイクロニック・ルビー SR-H438 で1965年に販売された超小型8石
トランジスタ・ラジオでIC以前の、全てディスクリートで作られたスタンダード以外では作れなかった物
の一つと云える。 この種のラジオの修理に付きましてはこちらの HP https://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/ か
らお問い合わせ下さい。

裏蓋を開けて驚かされたのは何とボタン電池 (LR44) 4個が収められていた。 電池は下の画像の様に水銀
電池 (E-640、RM-640 等) 2個を使い2.6Vで動作する様に設計させており、LR44、4個では6Vとなって仕舞う
為、壊してしまう可能性が高くなる。 

非常に小音量で一応動作していたが修理には可成り難航することが想像出来る。  2~3?

調べを進めたがどうも低周波部の動作は(多分)問題は無さそうだった。 とすると検波出力が小さいと云う
ことになるが原因がハッキリせず、先ずは基板を表に出してみた。

上の画像に見られる様バリコンの後部は外れていた。 ここは1.5mm程のプラスチックビスで固定されている
のだが頭部が無くなっている様だった。 マイクロニック・ルビーの多くのモデルには今回と同様セラミック・バ
リコンが採用されていたが、実はこの機種の故障で最も頻度が高いのがセラミック・バリコンの破損で、後期
の物にはポリバリコンが採用され、以前は重かった回転トルクの点も改善された。 バリコン単体の容量変化
を診てみたがアンテナ側、局発側共に容量変化には問題は無さそうだったので後部を接着剤で固定したの
で明日元に戻してみよう。 バリコンに起因したトラッキングの問題だと良いのだが。

11月9日 バリコンの裏蓋の固定は上手く行ったのでバラックで動作させてみた。 トラッキングは大きく狂っ
ていたので徐々に調整し、一応窓際に持って行けば小音量で聴ける様にはなったがIFT1のみ機能し、IFT2
とIFT3は機能していなかった。  これら二つが同時に壊れるより2nd IFを担っているトランジスタ 2SA338の
問題の可能性が高そうだった。 ここの交換は可成り困難だがどうするか?    

2nd IF のトランジスタ 2SA338の各電位をみてみた。Vbは-0.4V と問題無い値だったが Veが-0.9V と定格
-0.1V と大きく異なっていた。E-C間に問題が有りそうだったので思い切って外し、hfeを診てみたが約23だ
った。

同じ時期の普通のトランジスタ (2SA12) と今回の 2SA338 のサイズは上の画像の様に大きく異なっている。

先ず 2SA12 で動作させてみたが予想通り感度はドラスティックに増加し、多分40dB (100倍) 以上増加した。

次いで 2SA338 をパターン面で繋いでみたが良好に動作した。 この後このトランジスタを部品面に繋ぐのに
嫌になる程の時間を要したが、今もキーボードを叩きながらランニングを続けているが今日は組み込みはせ
ずこのまま連続試験を続けてみよう。  

11月10日 朝一番で通電してみた、昨日午後5時頃に2時間程のランニングを終えたので15時間のインタ
ーバルとなるが若干発振気味だったがスピーカーの位置を調整し良好に機能した。 電池の電極の緑青
もクリーニングしておいたのでこの後組み込みに取り掛かろう。 (しかしこれにも実は可成り神経を使う)

 

何度手掛けても組み込みには神経を使うが何とか組み込み最終試験を行った。 組み込む前に比べると感
度は7掛け程度となったが普通に使えるレベルだったので由としたが、今回この機種が網羅されているSams
Photofact, TSM (Transistor Radio Series)-51 を参照したが、珍しく部品配置が大きく異なっていた。 33110

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

松下 VP-549A  オシロスコープ

2014-11-06 17:57:47 | Weblog

一昨日FMチューナーの修理中に突然壊れて仕舞った松下のオシロ VP-549A をMさんに診て頂いた。

+170Vラインのヒューズ (250mA) が飛んでいた為代わりに500mAの物を入れ通電したところ本体後部か
ら可成りの煙が出た。 先ず電源回路のヒューザブル抵抗? 22Ω が焼き切れていたが、それだけでは無く
時間軸の出力トランジスタ (2SC526) 2個のB-C間が短絡していた。 手元に在った 2SC1103A で代用し通
電した結果時間軸の動作は良好とはなったが前段の片方(下)のトランジスタの発熱量が尋常では無かった。

11月7日 この機種のマニュアルが無く回路を起こしてみた。 テッキリ壊れたのは終段(エミッタフォロア)
の二つかと想っていたが、実際は上の回路図中の下の2石で、交換後の発熱が気になったのはドライバ
段の物だった。 下の回路図は今回の機種に可成り近いと想われるVP-556Aの水平出力部。

インターネットで 2SC1012A が買えそうだったので4個を発注しようと先ず電話で在庫を確認したところ実際
は在庫無しとのことだった。 ならばとMさんがリコメンドしてくれた 2SC4793 とついでと云っては可哀想だが
2SC2688 を各4個買って来た。 

使われていた 2SC526 と 2SC1103A を外し、穴開け後 2SC4793 を出来るだけ放熱面積を稼げる位置に
固定した。

2SC4793 は全体がプラスチックで覆われており、若干放熱の点が気になったが先ずはこれで組んでみた。

電源電圧を徐々に上げて行ったが、昨日と同様電流は約100mAで暫く通電してみたがトランジスタの温度
上昇は特には診られなかった。 暫くこれで使ってみよう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Military Receiver, R-2200/GRR-8 (WJ 8640-3A)

2014-11-02 17:46:53 | Weblog

今日お預かりした2台目は (米) Watkins Johnson 製の軍用受信機 WJ8640-3A (R-2200/GRR-8) で急に感
度が落ちて仕舞い強力な局以外受信不可能となって仕舞ったとのお話だった。 幸い類似機種のマニュ
アルを添えて頂いたので近々診させて頂こう。 この種の受信機の修理に付きましてはこちらのホーム
ページ https://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/ からお問い合わせ下さい。 余談だが Watkins Johnson 製品(真
空コンデンサ)を40年近く昔短期間ではあったが取り扱っていたことが有り懐かしい社名だった。
この種の受信機の修理の問い合わせはこちらのHP https://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/ からお願い致します

カバレッジは20-80、80-250MHzの2バンドで機種に依っては0.5-30MHz、或いは250-500MHzをカバ
ーしているモデルも有る様だった。 モードは AM/FM/SSB (LSB,USB,CW)のフルモードとなっている。

11月3日 以前インターネット上に有るこの機種のマニュアルを見た際に RF Amp.を探したがこれかと
想える回路に違和感が有ったが、何せ400ページ以上も有り紙媒体を添えて頂けるとのお話だったので
受け取ってから細かく診させて頂くことにした。  昨夜マニュアルを持帰り通勤の電車で回路を探した
がどうも見付からなかった。そうこうする内にヤット見付けたのは 3.3.3 Type WJ-9120,WJ-9121and
WJ-9124 Tuner Assem-blies (A2)  The circuit descriptions for these tuner may be found in the WJ-9120,
WJ-9121 and WJ-9124 Tuner Assembly manuals. とのことだった。 何故一緒に収めてくれないのか? 
何と不親切な!

実際に動作させてみたが伺った様、感度は想像以上に悪かった。

肝心要のフロントエンド部分の回路図が無くはっきりしないが多分上下の画像の部分がそれと想われる。

想像では 3N187 が RF Amp.を担っているのでは無いかと想われるが(多分)デュアルゲート FET の各端
子の電圧は下の画像の通りで電源系統に先ず問題が在りそうだった。 回路図が在れば話は早いのだが。

11月4日 インターネットで探した結果フロントエンド単体のマニュアルが見付かった(こちらは88ページ
程だった)。 想像通り高周波、局発、周波数混合が収められており、二つのバンドに別れていた。

RF Amp.に直接アンテナを繋ぐと感度は(感じとして)6dB程上がったが、こことアンテン入力の間には
バンド切り替えのリレー回路が在るだけなので壊れることは考え難い。

IF以降は下のシールドケース内に収められており各ユニット(基板)はエッジ・コネクタで接続されてい
るので先に進むには先ずエクステンダーを用意する必要が有る。 動作をチェックしていて20-80MHzバン
ドが機能していないことに気付いた。  下のユニットは上の画像の左端に在ったプロダクト検波ユニット。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Keracolor, B 772 (1970)

2014-11-02 17:00:40 | Weblog

今日お預かりした1台目は(英)Keracolor の B772、23"カラーテレビに国産のカラーテレビを組み込ん
だ物で最近ビデオ入力が機能しなくなって仕舞ったとのお話しだった。   この種のテレビの修理、改造
に付きましてはこちらの ホームページ https://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/ からお問い合わせ下さい。

背が高くライトバンにそのままでは入らない為、下の部分は外して持ってこられたので据わりが悪い。

ただでさえ狭い仕事場に可也の大きさの物が鎮座することとなり何とか早目に持ち帰って頂こうと早速取り
掛かり好結果を得た。 当初明日午前中に引き取られるとのお話だったが再度引き取りに来て頂いた。

Keracolor には同一デザインの色違い(茶色の木目)のB 626も在るが個人的には今回の白い方が良い。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする