今日お預かりした1台目は三和無線測器研究所製のチューブ・チェッカー SEM-14C でエミッション
測定型なので回路は左程複雑では無いと想われるが、使い方から試行錯誤する必要が有る。 この
種の機器の修理のご依頼はこちらの HP https://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/ からお問い合わせ下さい。
先ずは基本的な動作確認に取り掛かった。
最も故障の可能性が高いと想われたメーターを診てみたが残念ながらムービング・コイルが切れていた。
サテ、昔はこの種のメーターの修理をしてくれるところが在ったが現在はどうなのだろうか?
8月27日 メーターを修理してくれるところをアチコチ探したが中々見付からず、結局Mさんから紹介
されたK社さんに問い合わせた結果何とか修理可能との回答を得た。 ならば他の問題を診てみようと
内部の確認に取り掛かった。
上の画像に見られる様、ローターの先端部分が溶けて無くなっていた。何故ここが溶けて仕舞ったのか?
分かり難いがステーターの一つが上に折り曲げられているが本来はここに接続しなければならないのだが
実際はその隣のステーターに接続されていて辺りはスパークに依り黒く(炭化)なっている。
上の画像に見られる位置では電源ラインがショートすることになりローターの先端が溶けて仕舞っていた。
本来は下の画像に見られる一つ隣でなければばらず、つまり製造時から動作していなかったことになる。
動作する様になったのでメーターの代わりにテスターで電流を確かめたところメーターの感度は450μA
程度が必要と分かった。 (これまでは知人のサイトで見たこのモデルの回路から1mA程度と考えていた)
下はチューブチェッカーとして使用した際の振れ具合だが幾分少ない気がする(500μAのメーターの場合)
9月9日 修理に出していたメーターが戻って来たので組み込んだ。
ローターの先端が溶けて仕舞った入力電圧調整用ロータリー・スイッチは修理を諦めるつもりだったが
どうせならと駄目元で修理を試みた結果、好結果を得た。
500μA では若干感度が不足することは承知していたのでシャントを調整し略問題ない振れとなった。
実際に真空管でのエミッションの指示を診てみたが略満足の行く結果だった。
しかし今回の機種の配線には全て青いチューブが被せてあるがこれでは作る際も、またメンテナンスの時
にも区別が付かずやり難いと思うのだが何故なのだろうか? それとも敢てやり難くしているのだろうか?