テレビ修理-頑固親父の修理日記

古いテレビ、ラジオ、カーラジオ、アンプ、プレーヤ、電話機の修理のご案内です。古い物でしたら何処の国の物でも略OKです

Collins, 51S-1

2015-11-01 12:14:13 | Weblog

  今日お預かりした2台目は Collins の 51S-1 でこの機種を手掛けるのは今回で5度目となる。
先ずSメーターの振れ方が可笑しいとのお話だったが先ずは診させて頂こう。 この種の受信
機の修理に付きましてはこちらの ホームページ  https://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/ からお問い
合わせ下さい。

Sメーターの振れ方は伺った通りだったが、この機種で使われているSメーターの回路では伺っ
た様な振れ方になる様想われた。 ただ若干調整を行う必要は診られた。

上はラジオ日本(1,422KHz)、下は日本放送(1,242KHz)受信時。 共に11KHz程の差がある。

上はラジオ日経(6,055KHz)受信時、このバンドでも10KHzのズレが診られた。 下はSメーター
回路を分かり易い様簡略化したもの。

11月7日 修理、調整に先駆け全真空管のgmを診てみた。 結果17本の内の6本が最小値を下
回っており、ギリギリの物が他に3本診られた。 一部入手が困難な物があるがどうするか?

11月8日 ご依頼主に真空管のスペアーをお持ちで無いか伺ったところ、こちらで手配して欲しい
とのお話だったので今朝アリゾナに注文した。 多分入手には2週間程を要すると想うが暫し待機
モードとなる。 どうせならと6AU6で代用されていたV501の7543も併せて注文した。

11月17日 予定より早く真空管が届いた。

早速組み込み動作をみてみたが若干感度は上がっていた。 (周波数のズレも少なくなった)

次いでSメーターのゼロ点調整を行った。

こちらの基準信号発振機で周波数を合わせた(上)。 次いで内蔵の水晶発振器で校正を行った。

11月20日 電源は定格の115Vで使用すると伺ったので115Vでの調整に取り掛かった。 上は
100Vで調整した状態で115Vに電圧を上げた状態、約4KHz下回った。 次いで115Vで周波数を
合わせたのが下の画像。

次いでIFの調整を行った。 上は調整前、下は調整後で約7dB程感度が増加した。 ただT15の
上のコアが何故か動かず調整出来て無い。(ダスト・コアなので無理に回すと割れる可能性大)

次いで115VでのSメーターのゼロ点調整を行った。

11月21日 T15のチェックに関してゴーサインを頂いたので取り掛かった。

T15は前段のT14と共にAM用の500KHzバンドパスフィルターとして機能している。

何故T15上部のダストコアが回らないのか外し内部を確認してハッキリした。 上の画像では見
難いがコアが5つ程に割れていた。 無理をすると割れると分かっているのでプラスチック・レンチ
しか使わなかったが既に割れて仕舞っていた。 サイズだけで無く透磁率のことが有り適当な物
では置き換えられない可能性が高いがどうするか?

若干インダクタンスが減ったと想われたので外に若干のキャパシタを添えることにした。

どうもMax.20pFのトリマーでは大き過ぎたので直列に5pFを加えた。

上はトリマー等を加えない状態、下は加えた後で若干(約3dB)だがゲインは上がった。

VFO(PTO)の周波数精度が気になり周波数カウンターを繋ぎ暫くしたところで焦げる匂いがし
出してやがて動作が停止して仕舞った。

6BF5のヒーター電流が大きい為に電圧が上がらず5V程となっていた。 因みに頭頂部の青は
gmのチェック結果Minimum Valueギリギリを意味している。

V12(6BF5)に空気が入って仕舞ったのか可成り真空度が落ちて仕舞った様でヒーターが点灯
していなかった。 同時にV6とV9も点灯していなかった。

何故急にV12、6BF5の真空度が落ちたかは分からないがこれのヒーター電圧が上がらない為
にV6とV9も点灯しなかったと分かった。 *実は今回この真空管も交換するかと考えていたが
米国の店に無く、直接感度には関係無いのでパスした経緯が有る。 仕事場と我が家の真空管
のストックを足すと優に1万本を超すが6BF5も記憶では2本残っているハズなのだが。

仕方なくピンアサインが同じ6AQ5を使うことにしたがヒーター電流が6BF5:1.2A、6AQ5:0.45A
と大きく異なっている為ヒーター回路に8.2Ωをパラ繋いだ。

先日ザット調整を行ったPTOの周波数(@1,000KHz)を先ず診たところ上の様に+0.32KHzだった。

それを+0.01KHzに合わせ、次いで@0KHzの周波数を診てみたが+0.03KHzとなった(下)。

何度か上と下で周波数を診てみたが予想を遥かに超える周波数精度だった。 上は何と+0.04KHz
下は+0.03KHzの誤差、凄い! (想像では+/-1~2KHz程では無いかと考えていた)

11月22日 今日は各バンドの動作を診てみたが幸い全て良好だった。 出力管6BF5をどうする
か伺ったところ出来れば購入願いたいとのご希望だったのでオークションに入札しておいた。

11月29日 6BF5が届き最終調整に取り掛かった。

 

先ず校正用の100KHzを確認した。 次いで17.5MHzを診たところ+0.4KHzだったので修正した。

先日急に真空度不良を起こした6BF5を改めて見てみたが先日は見えなかったクラックが大き
くなっていた。

7MHz帯と、14MHz帯のハムバンドを聴いてみたがRejection Tuningの効果を実感出来た。


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