テレビ修理-頑固親父の修理日記

古いテレビ、ラジオ、カーラジオ、アンプ、プレーヤ、電話機の修理のご案内です。古い物でしたら何処の国の物でも略OKです

Akkord, Autotransistor automatic 620 ビートル用ピクニック・ラジオ(1960?)

2013-06-19 14:43:28 | Weblog

今日お預かりしたのは Akkord, Autotransistor automatic 620 長波、中波、FMの3バンド・モデルで
車では専用のマウンティング・ブラケット(出力アンプ込み)経由で電源、アンテナ、スピーカー
出力等が接続される。 この種のピクニック・ラジオ、カー・ラジオの修理、改造に付きましてはこ
ちらの ホームページ https://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/  からお問い合わせ下さい。

マウンティング・ブラケットの周りがポリエチレン・フィルムで覆われていた。 想像ではプラス・シャーシー
の車に無理無理装着していたのでは無いだろうか?。

電源は6V/12Vに対応しているのでは無いかと想うのだが添えて頂いた取説にはその記述は無かった

以前今回の物より少し古いモデルを修理した際はサービス・マニュアルをドイツから取り寄せたので上手く
直せたが今回もそうした方が良いのかも知れない。  しかしダイアル糸も切れておりここも難航することが
想像出来る。  盗難防止の為かマウンティング・ブラケットにはロック機構があり最初中身が取り出せず苦
労した。

FMのフロン・エンドも非常にコンパクトに作られており可成り厄介な気配が漂っている。  サテ、可成りの
修理費用を要することになりそうだがどうするかご依頼主に伺ってみよう。

ゴーサインを頂いたが低周波の前段に使われていた電解コンデンサが見事に容量抜けを起こしていた。 
同様のコンデンサが多く使われており先ずこれらの交換から始めてみるが今日は時間切れとなった。

電圧、極性切換に付いては説明のラベルが貼られていた。

車外に持ち出した際は内蔵の電池を使うことになるが上の画像に見られる電極は形だけの物だった。

マウンティング・ブラケットに付属しているアンプのパワー・トランジスタだが3個目はドライブ用か? はたま
たDC-DC用か、シリーズ・レギュレータ用か?

6月20日 可成り劣化が進んでいると想像出来るシーメンス製の電解コンデンサの交換に取り掛かった。 

非常に不安定ながらFMだけは辛うじて動作したが、バンド切換スイッチの問題では無いかと想像出来
るがこの部分を完全な物とすることは略不可能と云える。

途中今日お預かりしたものに取り掛かったので中断したが、バンド切換スイッチ周辺をアレコレいじった結果
FMが小音量で機能し、また長波も動作し出したが中波は全く機能しなかった。  低周波部に使われていた
電解コンデンサ、ペーパー・コンデンサ等も交換してみたが変化は見られなかった。  オート・ラジオとピクニ
ック・ラジオの切換と想われるスイッチを動かすと一瞬音量が増すことが分かった。  同時に歪みも増えた気
がするのでAVCに関係している様想えるが、ここは矢張りドイツからサービス・マニュアルを取り寄せた方が
良さそうと想い始めた。

 

6月21日 昨夜アレコレ想いを巡らせた結果サービス・マニュアルを依頼することに決め、数年前までドイツ
製品のサービス・マニュアルで多くのやり取りが有ったミュンヘン在住のラジオ・コレクターに今朝久し振りに
連絡を取ってみた。 まだ先方は夜中なので回答は夕方位になるだろうと考えていたが直ぐに回路図と、パ
ターン図が送られて来た。  これで先に進めると一瞬喜んだのだが、回路図を見てアレッとなったのは出力
回路がOTLとなっていた。   今回のモデルは極一般的な入/出力トランスを使ったプッシュプルの出力回路
が使われており、640(後日620が正しい型番と判明した)と云う型番こそ同じだが明らかに別のモデルのも
のだった。 また当然ながらパターン図も大きく異なっており、再調査を依頼したがこちらが必要としている物
は入手不可能かも知れない。

6月22日 以前入手したAkkord, Autotransistor 501/3200 の回路から何かヒントが得られるかも分からない
と想い探しだしてみた。 もし高周波部が同一、或は類似とするならAVCはAMのConv.とIF1にしか掛かって
おらず、オート・ラジオ-ピクニック・ラジオ切替時の音量の変化には略無関係と想えた。 怪しくなって来たの
はFMのConv.用の4.6V安定化電源?と想える回路と、IF Amp等の電源を作っているツェナー・ダイオード?
だが、念の為これらの動きを診てみよう。

再調査をドイツに依頼した際、部品面とパターン面の画像を添えておいたのが功を奏し、これはAT640で
は無く、AT621/6300 と想うと別の図面が送られて来た。 ザット見たところ間違いなく(タダAT-621は長
波は含まれておらず代わりに短波が含まれている点が気になったが)パターン面は一致していたので早
速送ってもらうことにした。 (多分1週間程で入手出来ると想う)

6月23日 添えて頂いてた別の資料(上の画像)に Autotransistor automatic 620/640、同 K 621/641と
あることから621は短波付き(Kは短波の略号)で、そうでは無いものは620なのでは無いかと想像していた
が昨夜我が家で読んだミュンヘンからのメールには620が間違い無く今回の機種の型番と記されていた。
先程仕事場に着き早速プリントアウトし、拡大コピーも取ったので今夜にも持ち帰り細かく診てみよう。
*良かれと添えて頂いた取り扱い説明書だが、別の機種の物だったので若干混乱させられて仕舞った。

 

6月24日 昨夜は回路図とラジオを持ち帰り各部の動作電圧を診てみた。 結果回路図中のGl 4の電圧
と低周波の1段目AC 126が可笑しかった。 しかしドイツ製品にはGl 4の様に順方向の電圧降下を使って
バイアス電圧を発生させる回路が多く、適当な部品を得るのに困難を伴うことがある。

今日仕事場で早速怪しい部品を交換し好結果を得た(音量は可笑しく無い値となった)。

中波は相変わらず機能しないので各コイルに問題が無いか診てみたが異常は診られなかった。

どうもアンテナ回路には問題が無いが、中波の局発が機能していない。

中波、長波の回路が乗っている基板を当たりたいのだが、その為にはバー・アンテナが乗っている基板を
先ず外さなければならないがここが外れない。 プラスチック製のベースにピンが6本刺さった構造だがこ
れを無理無理外すとベース部分を壊して仕舞う可能性が高い。

中波を諦めFMのカバレッジの改造に取り組んだ。 イヤハヤ小さい!

カバレッジを日本バンドに変え、動作を確かめてみたが可成り高周波部に発振が診られた。 これまで
高周波部での発振は診られなかったがキチント調整したのが裏目に出て仕舞ったか。 確かに入出力
のコイルの間隔は狭いので寧ろ何方かを離調させる必要が有るのかも知れない。 今日は最後にドット
疲れて仕舞ったが少し頭を冷やすことにしよう。 今日受け取った追加の資料でパワーアンプのパワー
トランジスタ3つの内の一つは6Vのシリーズ・レギュレータ用と分かった(一度ドライバー用と考えた)。

6月25日   昨夜も回路図を持ち帰り、通勤の電車内でも眺めていたが発振の問題はハッキリしなかった。
寧ろこの構造では発振しないのが可笑しい位なのだが(簡単なシールドはなされているが)中和もバランス
取っておらず発振しなかったのが何故か逆に分からない。 実際に動作させてみたが一部のFM局は問題
無く聴けるので由とさせて頂くことにしよう(現在もNHK-FM横浜を聴きながらこれを認めている)。

テンションを掛けているプーリーの動く量は少なく、ダイアル糸を略ピッタリの長さにしなければならずトライ
アンドエラーを可成りの回数繰り返し何とか好結果を得た。 (ここだけで優に1時間以上を要した)

サテと本体を組み立てマウンティング・ブラケット内に入れてみたが電源スイッチが上手く機能しない。

確かに違和感は前から有ったがボリューム(VR)兼スイッチ(SW)の後部が壊れていた、ガックリ!

泣き泣きVR兼SWの修理に取り組んだが何とか上手く直せた。  ここでもまた1時間以上を要した。

再びマウンティング・ブラケットを使った動作に取り掛かったが全く動作しない。 一つの原因はコネクタ
部分での断線だったが、ここを繋いでも変化は診られなかった。

イヤハヤ原因を見付けるのに梃子摺ったが(回路図からもその理由が分からなかったが)+の電源ライン
が繋がっていないので上の画像に見られる様、ジャンパーを1本加えた。 しかし電源を6V/12V、また極
性を+/-アースに切り替えられる機種では電源周りが複雑なものとなることが多い。  疲れた!

6月26日 昨夜回路図を通勤電車で見直し何故本体の電源スイッチが機能しないのか原因を探した。 

昨夜目星を付けておいた回路を追ってみた(パターン図はパターン面の情報しか記しておらず、部品面の
パターンに触れて無かったが)。 怪しい部分の半田付けをやり直し好結果を得た。

イヤハヤ カー・ラジオの修理としては最も時間を要した。

6月27日 夜中に一点気になったのがRF Amp.のエミッタに挿入されているRFチョークで、発送を止め
この辺りに再度取り組んだ。

ワックスで覆って仕舞ったので見えないが巻き数を10ターン程増やし、また集中定数も若干増やしてみた。

残念ながら好結果は得られず元の状態に戻した。

コメント
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