今日お預かりしたのはフタバ (MRC-FUTABA) の F-66, Radio Control System でシングル・ボタン
のシンプルなセットです。 多分40年程前の物で通達距離が極端に短いとのお話でした。 この
種のラジコン送/受信機の修理、改造に付きましてはこちらのHP https://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/
からお問い合わせ下さい。
米国で販売された物の様で MRC-ENYA Co., Inc. Brooklyn, N.Y. 11204 と販売会社の住所が記されていた。
送信部は26.995MHz発振(2SA350)-低周波発振/変調(2SB77)の2石で、小出力の物だった。 電源は12V。
受信機は超再生に2SA116を使い、低周波2段+エスケープメント駆動用出力の4石で低周波段のトラン
ジスタ2つの型番は消えていた。 リレーレスの超小型受信機で電源は3Vだった。
先ずはともあれ基本的なことを診てみた。 送信機のトータル電流は5.4mAと想像していた値より可也少な
かった。 低周波発振部との割合は目下不明だが仮に半々とすると2.7mA、電圧12Vとすると入力は32.4
mW、効率40%とすると出力は12.96mWとなり3~4倍有っても可笑しく無いと想うが、変調出力がどうなのか
知らないので明日にも出力の変調度を診て見よう。 幸い周波数に問題は診られ無かった。
3月23日 昨夜出力信号を診て変調度から送信段の入力電力が可笑しくないか想像出来るのでは無い
かと思い付き早速診てみた。 (大事なことが抜けていたことに気付かされた) 電池を繋ぎ電源スイッチ
をONすると下の画像に見られる出力が得られ、この際の負荷電流が約5.7mAで昨夜少ないのでは無い
かと感じたが......
ここから下は前面に在るボタンを押した際の負荷電流と、出力波形。 約25.3mAとこれなら問題無い
と想われる電流で、出力波形に診られる変調度からも送信機側には問題は無さそうだった。
しかしボタンが押されていない場合、何の出力も無いのではないかと考えていたが、アイドリング状態の
様に弱い出力を出し、ボタンが押されると4倍程の出力とするのが何とも解せない?
受信機に取り掛かった。 通電するとエスケープメントからジーと云う小さな音が聞こえていた。 エスケ
ープメントのドライブを担っているトランジスタ (2SB202) のベースにイヤフォンとオシロを繋ぎ波形と音声
を確かめてみたが、確かに送信機を近付けると変調音がノイズの中に聴こえてはいたがノイズのレベル
が余りにも高い。 同調周波数をディップ・メーターと周波数カウンターで診てみたが約28MHzだった。
どうもノイズは超再生のクエンチング・ノイズの一部では無く、電源ラインのモーター・ボーディングではな
いかと想えてきた。 (後から分かったことだが上の画像に在るランプは受信状態を現しており受信して無
い状態では点灯してはならない物だった) 試みに 別の電解コンデンサを外付し動作をみたところ状態は
ドラスティックに変わり安定した動作が得られた。
電解コンデンサを交換し実際に動作させてみたが、その前は1mでも動作が不確実だったが部屋の隅に移
動しても良好に機能してくれた。 元々周波数から船か車用として作られた物と想われるがこの用途には問
題なく使えるのでは無いかと想う。 電池ホルダーのあちこちに緑青が診られたので簡単に酸洗を行った。