テレビ修理-頑固親父の修理日記

古いテレビ、ラジオ、カーラジオ、アンプ、プレーヤ、電話機の修理のご案内です。古い物でしたら何処の国の物でも略OKです

Blaupunkt, Derby ピクニック・ラジオ (1960's)

2012-12-24 14:45:46 | Weblog

 今日お預かりした2台目は以前お求め頂いた Blaupunkt の Derby で先日突然煙が出て動作しなく
なったと云うものでした。   この種のピクニック・ラジオの修理、改造に付きましてはこちらの
ホームページ https://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/ からお問い合わせ下さい。

当初電源回路のデカップリング用の電解コンデンサが絶縁不良を起こし短絡し発熱したのかと想像してい
たがどうもことはそう簡単では無さそうだった。

焼損していたのは1Ωの巻線抵抗だったが、この抵抗が焼損した原因をハッキリさせなければならない。 こ
の抵抗は出力段のトランジスタのEに入っておりトランジスタを調べたところ2個共E-C間が短絡していた。

12月25日 ゴーサインを頂いたので近々取り掛からせて頂こう。 ところでこの機種(それよりこれまで手掛け
た多くのカーラジオ)で今回の様に出力段のトランジスタのE-C間が完全にショートしていたことは無く、原因
が不明だったがもしかしてとご依頼主に使用されていた電圧を聞いてみたところ12V (もし車だとするとフル
充電時には14V程となる) を加えていたとのことだった。 (定格は9V) これでは壊れて仕舞う! こうなる
と出力トランス1次側のレアショートが心配になって来た。

12月26日  出力のトランジスタはものの見事に壊れていた。 取り付けてあるのが基板の端で、また基板を
外し、表に出すには多くの配線を外さねばならず何とかそのままで時間を掛けて交換した。 結果心配した出
力トランスにレアーショートは発生しておらず一安心した。 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

VW オーバル (1955年)用 カーラジオ Becker, Monte Carlo

2012-12-24 14:44:19 | Weblog

今日お預かりした1台目は Becker の Monte Carlo の真空管モデルで多分1950年代中頃の物と想われ
ます。この種のカーラジオの修理、改造に付きましてはこちらのHP https://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/
からお問い合わせ下さい。

電源スイッチがONになりっぱなしで、パイロット・ランプは点灯するものの真空管のヒーターは何故か点灯
せず機械式のバイブレータも(当然とも云えるが)全く動かなかった。  可也難航することが想像出来る。

12月25日 ゴーサインを頂いたのでレストアに取り掛かった。 先ずは前面の押しボタン(バー)やクローム
メッキが為された部分のクリーニングと研磨を行った。

次いでコンデンサ(全てでは無いが)の交換に取り掛かった。

大きな問題は電源スイッチ兼音量調整のボリュームだが、電源スイッチの故障は時々経験するが音量調整
の部分も珍しく壊れていた。 同じ部品が在れば何のことは無いが修復は可也の困難が予想される。

今日はここで時間切れとなったので続きは明日。

 

12月26日 昨日に引き続きボリューム部分の修理に取り掛かった。 このボリュームには3つの機能が有
り、音量調整、電源ON-OFF、音質切替を一つで担っている。 修理結果音量調整と、音質切り替えは機能
する様になったが電源ON-OFFの機能は下の画像に見られる様、アルミ・ダイキャスト製の金具の片側が
無くなっており残念ながら諦めざるを得ない。 (ここには可也の力が加わる)

バイブレータを半導体式の物に交換し(12V電源で)動作させ既に2時間近くになるが良好に機能している。

12月27日 何とか国産のスイッチ付きボリュームでも良いので電源スイッチも機能する様にして欲しいとの
お話を頂いたのでもう一度分解しボリュームを外した。 秋葉原に行けばスイッチ付の(シャフトの長い)ボリ
ュームも手に入るが、往復3.5時間と今日が木曜日で定休日の為、考えを変え何とか修復出来ないかと駄
目元で取り掛かった。

アルミダイキャストの部品に1.5φの穴を開け1.5φの真鍮製のピンに少しテーパーを付け押し込み、接
着剤で固定したので今夜にでも結果を見てみよう。

12月28日 昨夜接着剤が十分硬化したのを確認し恐る恐る動作を確かめてみた。 最初可也重く一瞬駄目
かと思ったが、最初だけで直ぐに良好に機能してくれた。 今日再々度組み込みランニング後終わりとした。

1月24日 音量が小さいとのことで送り返して頂いた。 以後アレコレ机上で考えてみたが何とも解せない。
これが同時代の米国製と云うことなら先ず間違い無くIFTの問題なのだがドイツ製では真空管ソケット部分
での問題しか経験が無いがどうも今回は別の所に問題が在る様だった。 可也難航することになりそうだ。

駄目元で周波数変換と中間周波増幅の真空管を交換してみた。 結果音量はドラスチックに増加した
ので真空管に問題が在ったのかと組み立てたところまた元の状態に戻って仕舞った。 困った!

今回の様な一寸したことで音量が出たり、殆ど出なくなると云う症状の原因としては中間周波増幅管のSg
の電圧、g1のバイアス電圧等が考えられるがその原因を作るのは接続されているC、Rの接続が不完全な
ことに起因することが考えられるが何処にもその様なことは診られなかった。

米国製のラジオで同様の問題が在ると迷わずIFTを診ることになるが、念の為IFTを診てみた。 IFは460KHz
なのでアンテナ入力にSGを繋ぎ動作を確かめたみたところIFT、2個共片方しか共振していなかった。

本来は上の画像に見えている真鍮製のネジの先端にダスト・コアが無ければならないのだが外れていた。

接着剤でダスト・コアを固定し暫く放置してから組み込んでみた。 結果両方が共振する様になり、感じ
では片方しか共振してなかった状態とは多分30-40dB位は差が在りそうだった。

次いでIFT1に取り掛かったが今日(1月26日)は午後都内で集りが有りこの後出掛けて仕舞う。

1月27日 昨日接着剤で固定しておいた物を組み込み動作を確かめてみた。

先日動作を確かめたIFT2より可也Qが高い感じだった。 近々実際の回路に組み込んでみよう。

1月28日 組み込みIFの調整を行った結果十分な(うるさい程の)音量が得られた。 永年ドイツ製の
ラジオも手掛けて来たがIFTの問題と云うのは初めての経験となった。

電源とスピーカー・コードの交換依頼も頂いたので(自分としては不本意だが)交換した。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする