”農”と言える!?

元・食推おばさんのソムリエ日記

父の言葉

2009-10-16 20:18:02 | ブログ

小学生時代の私は、大変な引込み思案で、いつも人の陰に隠れていた。

そして、一日目立たずに暮らしていければ、それで幸せと思うような子供だった。

そんな私の夏休みの自由研究が、なぜか先生の目に留まり、

学校の講堂で発表することになった。

発表会の前夜、「そんなことできない!!」とゴネる私に、父はこんな話をした。

まだ私が幼稚園に上がる前のことだ。

父が会社から帰って来ると、家の前に人だかりができていた。

何事かと思って覗き込むと、ミカン箱に乗った私が大声で近所の人に、

覚えたばかりの「桃太郎」や「舌切りすずめ」の話を聞かせていたという。

その堂々たる話ぶりに、

「この子は将来、社会運動家にでもなるのではないか?」

と両親は本気で心配したらしい。

「あの時、あんなことができたんだから、おまえならできるよ。」

と父は言った。

そして、私は緊張しながらも、全児童の前で発表を終えた。

父の言葉は、今でも節目節目に私の耳に届く。

野菜ソムリエのプレゼンテーションの試験の時も、

初めてパワーポイントを使って230人の前で講演した時も、

父の言葉が私を支えてくれた。

今日は、父の命日。

お墓の花を替えていたら、いつものようにふわりと風が吹いた。

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