地元の健康づくり推進委員と福祉委員が主催する視察研修に参加しました。
どうしても行ってみたいところが2か所、入っていたからです。
好奇心は人見知りを超えるのです。
そのひとつが、我が家で長い間愛用している栄醤油。
栄醤油があるところは、掛川市(旧横須賀町)です。
横須賀城の城下町として栄えたこの場所で、
刀鍛冶の傍ら醤油づくりを始めたのがきっかけで、
200年以上、醤油づくりを受け継いできました。
8代目となる深谷充さんが最初に見せてくださったのが、麹です。
緑色をしていました。
お醤油の原料は、大豆、小麦、塩ですが、
これらが麹菌をはじめとする微生物の力で、
まろやかな塩味や香ばしい香りが作り出されます。
まず、小麦を炒ります。
そして、炒った小麦を砕きます。
こちらは大豆を蒸す大きな釜です。
さあ、ここから醤油づくりに欠かせない麹づくりに入ります。
蒸した大豆と炒った小麦に「種麹」を振りかけてはスコップでひっくり返していきます。
その後はコンテナに移して「室(むろ)」へ移動させます。
室の中でおよそ3日間。
その間にどんどん麹菌が増えていくので、
時々混ぜたりほぐしたりしながら手入れをして温度管理に注意します。
温度が上がりすぎると「納豆菌」が発生し、
下がりすぎると「くもの巣カビ」が発生してしまうのです。
できあがった麹を塩水を入れた木桶のなかに落とし、混ぜます。
2メートル程もある大きな木桶が立ち並ぶ、古くてうす暗い醤油蔵で
1年~1年半の熟成期間を過ごし、お醤油が完成します。
自分が毎日使っている大切なものの製造工程だけでなく、
そこに携わる人の伝統を重んじる心にも触れることができました。
視察の時間は決してゆったりとはしていなかったのですが、
お醤油の香りに包まれたあの空間は、時間の流れが違うように感じました。
今度は、ゆっくりと訪れたいと思います。
ありがとうございました。