”農”と言える!?

元・食推おばさんのソムリエ日記

かつお節の値上げ その理由は

2017-08-02 11:01:15 | だし

かつお節の値上げが、相次いで発表されています。

ヤマキは、8月1日出荷分より7~15%値上げ。

6月に1割値上げを行ったマルトモは、9月1日出荷分より7~11%値上げ。

にんべんは10月2日出荷分より10~25%値上げ。

ただ、この値上げは問屋などに出荷する際の価格で、

実際に消費者が支払う価格を上げるかどうかはスーパーなどの判断によります。

 

  

値上げの理由をまとめてみました。

大きく3つの理由が挙げられます。

●原料となるかつおが不漁である。

●だしブーム、さらに新興国でツナ缶需要が高まり、

 原料となる冷凍かつおの価格が上がっている。

●海のOPEC

 

【写真は焼津港に水揚げされた冷凍かつお】

 

この中で、初めて聞いた言葉が「海のOPEC」です。

1.海のOPECって何?

 太平洋の島国8ヵ国(パラオ、ミクロネシア連邦、マーシャル諸島、キリバス、

 ツバル、ナウル、ソロモン諸島、パプアニューギニア)が漁業で経済圏を作り、

 漁業で利益を上げようというもの。

  

2.日本との関係は?

 日本はかつお節の原料となるかつおの8割以上をこの海域から獲っている。

  

3.問題となっているのは高い入漁料

 以前は、何日漁をしても入漁料は「獲れ高払い」。

 ところが2012年に制度が変更され、外国漁船に1隻あたり高い入漁料を

 毎日徴収するようになった。

  ・2012年   5000ドル(約55万円)

  ・2015年から 8000ドル(約90万円)

          ↓

   年間に180日入漁するとして、1隻あたり2億円支払うことになる。

 

4.なぜこんなに高い入漁料を課すのか?

 海のOPECは入漁料が財政を支えているから。

  

 

原料となるかつおが高騰すると、そば、うどん、おでん、ドレッシング、スナック菓子

などに影響が出てきます。

また、だしに準ずる商品(顆粒だしや麺つゆなど)に使われている

かつおエキスやかつお節エキスにも影響が出てきます。

  

風が冷たくなり、おでんや麺類が恋しい季節が来る頃には、

私たち消費者も、かつお節の値上げをひしひしと感じるようになるのでしょうか?

 

※写真は2013年11月26日、焼津でかつお節の生産現場を見学した時のものです。

 

 

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