かつお節の値上げが、相次いで発表されています。
ヤマキは、8月1日出荷分より7~15%値上げ。
6月に1割値上げを行ったマルトモは、9月1日出荷分より7~11%値上げ。
にんべんは10月2日出荷分より10~25%値上げ。
ただ、この値上げは問屋などに出荷する際の価格で、
実際に消費者が支払う価格を上げるかどうかはスーパーなどの判断によります。
値上げの理由をまとめてみました。
大きく3つの理由が挙げられます。
●原料となるかつおが不漁である。
●だしブーム、さらに新興国でツナ缶需要が高まり、
原料となる冷凍かつおの価格が上がっている。
●海のOPEC
【写真は焼津港に水揚げされた冷凍かつお】
この中で、初めて聞いた言葉が「海のOPEC」です。
1.海のOPECって何?
太平洋の島国8ヵ国(パラオ、ミクロネシア連邦、マーシャル諸島、キリバス、
ツバル、ナウル、ソロモン諸島、パプアニューギニア)が漁業で経済圏を作り、
漁業で利益を上げようというもの。
2.日本との関係は?
日本はかつお節の原料となるかつおの8割以上をこの海域から獲っている。
3.問題となっているのは高い入漁料
以前は、何日漁をしても入漁料は「獲れ高払い」。
ところが2012年に制度が変更され、外国漁船に1隻あたり高い入漁料を
毎日徴収するようになった。
・2012年 5000ドル(約55万円)
・2015年から 8000ドル(約90万円)
↓
年間に180日入漁するとして、1隻あたり2億円支払うことになる。
4.なぜこんなに高い入漁料を課すのか?
海のOPECは入漁料が財政を支えているから。
原料となるかつおが高騰すると、そば、うどん、おでん、ドレッシング、スナック菓子
などに影響が出てきます。
また、だしに準ずる商品(顆粒だしや麺つゆなど)に使われている
かつおエキスやかつお節エキスにも影響が出てきます。
風が冷たくなり、おでんや麺類が恋しい季節が来る頃には、
私たち消費者も、かつお節の値上げをひしひしと感じるようになるのでしょうか?
※写真は2013年11月26日、焼津でかつお節の生産現場を見学した時のものです。