”農”と言える!?

元・食推おばさんのソムリエ日記

井寒台へ

2017-08-08 14:43:33 | だし

昨日に続き、だしソムリエ協会認定講師の研修について

書かせていただきます。

実は、昨日のブログは日高昆布漁の様子をお伝えしたく、

8月6日のことを記事にしました。

今日は、その前日8月5日の訪れた井寒台のことを書きます。

  

まず、日高昆布の区分として「浜格差」というものがあります。

これは、昆布が育つ浜の環境をランク付けしたものです。

「特上浜」「上浜A」「上浜B」「中浜A」「中浜B」「中浜C」「並浜」

となっています。

 

この中で「特上浜」に格付けされているのが井寒台(いかんたい)という浜です。

では、その海の様子をご覧ください。

  

  

井寒台が素晴らしいのは、浜だけではありません。

後ろに山が控えているにも大きな要因。

豊かな自然林からの栄養塩やミネラルが海に注ぎ込み、

上質な昆布を育てていきます。

  

 

昨日のブログにも書きましたように、

昆布漁が行われるのは、7月~9月と大変短い期間です。

しかし、井寒台地区はこの内の3日程度しか漁は行われません。

理由は、昆布の乱獲を防ぐためです。

 

また、日高昆布は完全天日干しのため、

 ●昆布が干せるような天気であること

 ●気温が25℃を超えそうなこと

 ●波が荒くないこと

など条件が揃わないと、出漁することはできません。

  

私たちが井寒台へ伺った日も漁はお休み・・・。

でも、海岸で拾い昆布漁をしている漁師さんを発見!!

  

 

これは、時化やその他の理由で海岸に流れ着いた昆布を拾うことで、

昆布漁期間中、出漁出来なかった日や

昆布漁が終わった9月以降は、拾い昆布漁を行うことになります。

  

  

浜の干場に採れた順に並べていきます。

  

   

午後は、えりも漁協様を訪問し、

スライドを使って、日高昆布のレクチャーをしていただきました。

  

  

  

   

日高昆布は、すべてが天然ものです。

どうして養殖を行わないのか・・・それがずっと疑問でした。

理由は、地形と環境にありました。

 ●湾がない。

 ●波が穏やかでないので、養殖の施設を作ることができない。

  

そんな日高昆布も今年は不作と言われています。

昆布の品質が落ちる原因と考えられることは

 ●海流の蛇行により、海水温が変化する。

 ●昆布が育つ「畑」が荒れる。

 ●家庭用排水による海の汚れ

 ●地球温暖化 → 胞子が出るころに海水温が高いと生育に影響が出る。

  

和食の基本となる「だし」を作る昆布が育ちやすいように

私たちも環境を守っていかないと・・・。

一家総出で早朝から働く昆布漁師さん家族の笑顔と汗を

忘れてはいけないと思いました。

 

コメント
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