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透明タペストリー

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「星を継ぐもの」ジェイムズ・P・ホーガン

2020-08-08 | B ぼくはこんな本を読んできた〇


『星を継ぐもの』ジェイムズ・P・ホーガン(創元SF文庫2017年99版)

**月面調査隊が真紅の宇宙服をまとった死体を発見した。すぐさま地球の研究室で綿密な調査が行われた結果、驚くべき事実が明らかになった。死体はどの月面基地の所属でもなく、世界のいかなる人間でもない。ほとんど現代人と同じ生物であるにもかかわらず、五万年以上も前に死んでいたのだ。(中略)やがて木星の衛星ガニメデで地球のものではない宇宙船の残骸が発見されたが・・・。**扉にもカバー裏面にもこの謎が書かれている。この長編SFはこの謎を長大な理路によって解き明かすという内容。その内容に、ぼくは何回もなるほど!

理路は途中、次のようなところも通過する。

**惑星に取り残されたミネルヴァ原産の陸棲動物はやがて絶滅しました。ところが、地球から移入された動物たちは適応性を発揮して生き残ったのです。それどころか、先住者との競争がなくなって、地球動物はミネルヴァ全域をわがもの顔に闊歩したのです。こうして新米の移入生物は、何百万年も前に地球の海にはじまった進化を、片時も中断することなく続ける結果となりました。ところが、言うまでもなく、一方の地球でも、その同じ進化のプロセスが続いていました。共通の祖先から同じ遺伝形質を受け継ぎ、等しい進化ポテンシャルを備えた二つの動物集団が、二つの惑星でそれぞれ独自の進化を辿りはじめたのです。**(266、7頁) 

帯に100刷突破とある。確かに実におもしろいSFだ。2019年8月に読んだ。



『ガニメデの優しい巨人』は『星を継ぐもの』の続編。物語はさらに『巨人たちの星』へと続く。


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