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透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「いま、幸せかい?」

2022-02-06 | g 読書日記

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 『いま、幸せかい? 「寅さん」からの言葉』滝口悠生(文春新書2019年)を読む。

大の寅さん好きだという作家・滝口悠生さんが寅さんシリーズ最後の作品「お帰り寅さん」を除く全49作の完成台本を読み通して名場面をピックアップして、「家族について」「世ちがらい浮世のこと」「恋愛について」「女性の生き方について」「旅と浮世のこと」「みんなが語る寅さん」というテーマにまとめて紹介している。

寅さん映画で好きな作品も印象に残る場面・台詞も人それぞれ。本書に収録された台詞を読んで、意外に思ったり、確かに、と納得したり、楽しかった。

「私、人妻になって初めて寅さんの魅力わかったんだもん」 え、こんな台詞、誰が言ったんだっけ? そうか、あけみちゃんか。(*1)(199頁)

「伯父さん」
「何だ?」
「人間てさ」
「人間?人間どうした?」
「人間は何のために生きてんのかな?」
「何だお前、難しいこと聞くなあ、え?」
「うーん、何て言うかな。ほら、ああ、生まれてきてよかったなって思う
ことが何べんかあるじゃない、ね。そのために人間いきてんじゃねえのか」
「ふーん」
「そのうちお前にもそういう時が来るよ、うん。まあ、がんばれ、なっ」
(221、222頁)

寅さんを送って柴又駅まで行った満男君が寅さんに生きる意味を問うこの場面はぼくも印象に残っている(過去ログ)。だが、この場面だけピックアップしてもなぜ満男君が寅さんにこんな哲学的な問いかけをしたのか分からない。やはり作品を通しで観なくちゃ・・・。

また、全作品を観ようかな。


*1 タコ社長の娘



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