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■『城の日本史』内藤 昌 編著(講談社学術文庫2011年8月10日第1刷、2020年9月23日第4刷)を読み始めた。お城大好き、という訳ではないけれど、興味が全く無いわけではない。松本には国宝松本城があるし。
この本を何年も前に読んでいれば、33会の旅行で今年(2024年)1月に行った松山城や同じく33会で2019年に行った松江城の見方が違っただろうに・・・。来年1月には33会の旅行で小倉城に行くから、その時は今までとは違う見方ができるだろう。
しばらく前に本書のことを知り、行きつけの書店で注文していた。文庫本で1617円(税込)は高いけれど、その分中身が濃い。この本の構成は明快だ。総論から各論、そして事例紹介。このことが目次に表れている。
第一章 城郭の歴史 ― その変遷の系譜
第二章 城郭の構成 ― その総体の計画
第三章 城郭の要素 ― その部分の意味
第四章 日本名城譜 ― その興亡の図像
第一章「城郭と歴史」の中に「城」の訓読みの「シロ」は「シリ(領)」の古い名詞形と推定されているという説明がある(47頁)。で、この領は**「領有して他人に立ち入らせない一定の区域」を示すわけで、たとえば、苗を育てるところを「苗代」(『播磨風土記』)といい、矢を射るための場所を「矢代」(『出雲風土記』、(後略)**(47頁)と説明は続く。「シロ」の源意は「領域を区切る」ことだという。
そうか、城と代はもともと同義なのか。ということは・・・、綴じ代、のり代の「代」もある用途のために決められた(区切られた)エリアのことなんだ、と合点がいく。なるほど!
知らないことを知ることは嬉しい、というか楽しい。いくつになっても知的好奇心は失いたくないものだ。
第二章「城郭の構成」は城郭の配置計画、平面計画に関する論述。例えば郭の縄張は「梯郭式」「連郭式」「環郭式」「渦郭式」というようにタイプ分けされ、それぞれについての説明がなされている。
第三章「城郭の要素」は城郭の構成要素、例えば天守台や櫓、堀、塁などに関する詳しい説明。
第四章「日本名城譜」は全国各地の29城を取り上げて、城の歴史や、特徴などの解説。
しばらくは本書を楽しみたい。