透明タペストリー

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「清張地獄八景」みうらじゅん編

2021-03-28 | A 読書日記

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 ドイツではぎっくり腰のことを「魔女の一撃」と言うそうだ。私も年に1、2回一撃を食らう。昨日(27日)の朝、庭に生え始めてきた雑草たちに「おじ(い)さんの一撃」を見舞ってやった。これから晩秋まで彼らとバトルを繰り返すことになるが、負けないようにしないといけない。

さて、本題。

今月(3月)は松本清張の作品について書かれた本を読んできた。昨日(25日)8冊目となる『清張地獄八景』みうらじゅん編(文春文庫2021年、500ページ近くある分厚い文庫)を上記の理由によりいつもより遅い朝カフェで読んだ。清張地獄とは過激なタイトルだが、まあ確かに、人を殺めるに至るのだからなぁ。

みうらじゅんという人については名前は知ってはいたが、何をしている人なのかは知らなかった。カバー折り返しの編者紹介をみると、**イラストレーター、エッセイスト、ミュージシャンなどとして幅広く活躍。**とある。新語・流行語大賞になった「マイブーム」は彼の造語とのこと。

この本には以下のような多彩な記事が収録されており、清張ファンにはうれしい1冊だ。

ドラマ化された清張作品に出演した船越英一郎とみうらじゅんとの対談
みうらじゅんが選ぶ清張作品ベスト20
北村 薫と有栖川有栖の清張作品をめぐる対談、佐野 洋と山村正夫の対談
清張の講演録(清張の講演録を読むのはたぶん初めて)
朝日新聞時代の同僚が語る松本清張、直子夫人が語る夫・松本清張
佐藤愛子が語る松本清張、開高 健との講演旅行の思い出
女性愛読者への手紙
京極夏彦、宮部みゆき(『松本清張傑作短篇コレクション』文春文庫を編んでいる)、大沢在昌によるトークショーの記録(2009年8月に松本清張生誕百年を記念して北九州・小倉で開かれた。*1)
脚本家・橋本 忍が語る現場秘話
・・・等々

松本清張を敬愛するみうらじゅんは**あえて「この1本!」みたいなものを選ぶとしたら――。僕は『ゼロの焦点』を挙げたいと思います。**(24頁)と書いている。
佐野 洋との対談で山村正夫(*2)も**短編だと『張込み』、長編なら『ゼロの焦点』ですね。**(355頁)と語っている。

僕も好きな作品として『ゼロの焦点』を挙げる(過去ログ)。新年度の読書は『ゼロの焦点』から始めるかな。


*1 京極さんが調べたところによると、清張原作のテレビドラマは315作品!にもなるとのこと。映画は35本。『黒革の手帖』はドラマ化されてよく知られている清張作品。
*2 **長年小説教室で講義し、宮部みゆきら多くの作家を育てた。**(356頁)


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