透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

ドーダの建築 ホキ美術館 

2017-11-25 | A あれこれ




ホキ美術館 2012年3月以来5年半ぶりの再訪 以下その時(20120401)に書いた記事の再掲(一部加筆)

■ ドーダの建築。30メートルのキャンチレバーだぞ、ドーダすごいだろ。しかも筒状に閉じていないんだぞ、ドーダすごいだろ。日建はこんなことだってできちゃうんだぞ、ドーダすごいだろ。

2枚の鋼板と中骨からなるサンドイッチ構造の「プレート」で「日」を横にしたような断面を構成している。ただし、南側はプレートが上部のみで、下はガラスになっている(写真)。ということで、外観上筒状に閉じていない構造だが、北側の壁と間仕切壁、床と屋根の各プレートで筒状に閉じたキールを構成して構造的に成立させている。

構造的に高度な解析をしたんだろうな、と思う。でもデザイン的な必然性を感じない。なぜ、30メートルものキャンチレバー構造にしなくてはならなかったのか、分からない・・・。開放した1階部分は裏スペース、有効に使っているわけでもない。そこでドーダの建築、高度な構造解析力を自慢する(だけの)建築ではないかと思った次第。もちろん、すごいことは認めた上で。


追記(20171125)

 先日、信越放送(SBC)の朝のラジオ番組で江口泰広さん(学習院女子大学国際文化交流学部名誉教授)の話を聞いた。マーケティング論が専門の江口さん、話のキーワードは「知覚品質」で、商品の品質は消費者が決めるというものだった。

生産者がどんなに品質がよいと思っていても、それを消費者に認めてもらえなければだめ。そこで必要になるのが品質情報の可視化、情報発信。パイロットの制服も医者の白衣もその高度な職能であることを示すもので、職能情報の可視化。そう、彼らが短パンにTシャツではダメなのだ。

22日はこのような捉え方でこの建築を見た。日建設計の技術力の高さが30メートルものキャンチレバーに可視化されている。そう、建築設計者もデザイン力、技術力の高さをアピールする必要があるのだ。

同時に林昌二さんが健在だったらこの建築をどう評価しただろう、とも思った。


 


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