透明タペストリー

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飛騨高山ウルトラマラソン応援の顛末

2024-06-11 | A あれこれ

 一昨日(6月9日)行われた飛騨高山ウルトラマラソンに友人のS君が参加した。標高差約500m、激坂ありの国内屈指の過酷なコースを100km走る。自宅から高山駅まで90km弱。それ以上の距離を走るのだから凄いとしか言いようがない。彼はここ何年かこのウルトラマラソンに参加している。今年も応援に出かけたが、昨年とは全く違う応援になった。以下その顛末記(推敲していないので冗長な文章です)。

飛騨高山ウルトラマラソンには100kmと71kmの2種目ある。100kmのスタート時刻は4時30分、4時50分。途中関門が5か所設けられていて、各関門を制限時刻までに通過できないと失格となる。制限時間は14時間。4時50分スタートのS君は制限時刻の18時50分までにフィニッシュしなくてはならない。


第3関門の丹生川支所

朝9時前に自宅を出発、第3関門の丹生川支所へ向かう。自宅からおよそ77kmで2時間とかからない。10時40分ころ到着した。この関門はスタート地点から57.2km。S君のペースチャートによると、ここを通過するのは12時18分頃だ。


11時50分頃から、関門の入口付近に設置されている時計(②)の横に立ってS君を待つ。昨年と同じごく薄い緑色のシャツを着て走ることもゼッケンもS君のSNSで確認している。見逃すはずはない。

12時15分になった。そろそろ来るはずだ。だが来ない・・・。12時30分、まだ来ない。制限時刻の12時50分になった。来ない・・・。S君は日々の練習をSNSにアップしている。入念な準備をして今日を迎えたはずなのに・・・。制限時刻に間に合わないランナーが何人も走って、歩いて関門に入って来る。あと30分待ってみよう。来ない。

僕は待つことをやめて、帰ることにした。どうしたS君? 何があった? 途中でアクシデント? 

K君が何か情報を掴んでいるかもしれないと電話してみたが、出ない・・・。しばらくしてもう一度電話したがダメ。自宅に向かって走行中にK君から電話があった。道路脇の空き地に停めて、事情を伝えた。更に走行。第3関門の丹生川支所から20km近く戻って来たところ、平湯トンネルまであとわずかというところでK君からメッセージがあった。運よく道路工事区間の直前だった。工事用信号が赤になった。待ち時間3分。

メッセージを確認した。「12時半くらいに60km通過して第4関門に向けて走っている可能性が高いです」

僕は引き返して第4関門に向かうことにした。途中、空地に車を停めてメモしてきた第4関門の電話番号をカーナビに入力した。案内に従って進む。丹生川支所支所通過。僕の記憶だとそのまま直進するはずだが、カーナビは左折指示。高山の中心市街地方面へ向かう。カーナビは距離優先にしないと遠回りのルートを指示することがあるからなぁ、と思いつつ走行。

観光客の姿が目に入り出す。道路上の案内標識に 高山駅の表示。おかしい・・・。渋滞気味で第4関門の通過予想時刻、3時前には到着できないと判断して、市街地を抜け出そうと迷走・・・。


ランナーの姿が目に入った。よかった。そのまましばらく走行するとフィニッシュまで残り4kmと表示されたコーンが道路脇に設置されてるではないか。え? ここはどこ・・・? さすがに私は誰?とはならなかったが、かなり焦って冷静さを失った。

コーンのすぐ近くに給水所があった。幸いその向かいが空地だったので車を停めて、訊ねた。第5関門の高山市公文書館がすぐ近くだと、教えてもらった。

僕は理解した。高山市にはB&G海洋センター体育館が2カ所、国府と清見にあって、僕がメモしたのは第4関門の国府ではなく、かなり離れた清見の電話番号だったということを。

だが、ラッキーなことに間違えた清見B&G海洋センター体育館は第5関門の高山市公文書館のすぐ近くだった。カーナビをセット。案内を頼りに3km程走行。第5関門に着いた。


第5関門の高山市公文書館

ここからフィニッシュ地点、飛騨高山ビッグアリーナまで6.7kmと表示されている。


通過制限時刻は17時50分。S君がここを通過するのは17時過ぎだろう。

かなり前に僕はS君に今年も応援に行くことを伝えていた。第3関門、第4関門で会うことが出来なかった。ここで会って約束を果たさなければ・・・。見逃してはならない。第3関門の失敗をまたしてはならない。関門入り口を注視し続けた。


来た! S君! ハイタッチ、握手! よかった会えた。

S君を見送って飛騨高山ビッグアリーナへ。途中力走するS君を追い抜く時スピードを落として手で合図すると、彼も手を挙げて、何やら叫んで応えてくれた。

第5関門でもそうだったが、飛騨高山ビッグアリーナでS君を待つ間、向かってくるランナーに拍手すると、頭を下げたり、ありがとうとお礼を口にしたり、目を合わせて頷く仕草をしたり・・・。いいなぁ、こういうの。


フィニッシュゲートを潜り抜けるS君


右後方に時計が写っている。まだ制限時刻の18時50分まで40分もある。ナイスラン!

100km 完走おめでとう! すばらしい!!


なぜ、第3関門で見逃してしまったんだろう・・・。想定時刻より30分も前、11時45分頃通過していたことが分かった。スタート地点から74.1kmの第4関門は14時18分頃通過していた。想定時刻は14時57分。40分も稼いでいる。カーナビのセットを間違えなかったとしても到底間に合わなかった。

S君はSNSに次のように綴っている。**完走だけ出来る走りをしたんじゃ成長は出来ないと思い攻めの走りをしようと思っていました。勇気ある走りです。** 

僕が祝意をメッセージで伝えると次のような返信があった。**そう言ってもらえて嬉しいです。出来るか出来ないかよりやるかやらないかが大事ですね。** 名言だ。


80km通過 90km通過しました。そろそろかと。第3関門で連絡してから、このような情報を何回も送ってくれたK君に感謝します。


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2 コメント

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応援ありがとう! (S君)
2024-06-11 12:22:05
せっかく来ていただいた第3関門の丹生川支所を予定よりも大幅に早く通過してしまってまさかのスライドだったんですね。それからずーっと師匠を心配して走ってましたが、もしかして駐車の関係でゴールのところにずっといてくれんじゃないかと必死に走りました。最終関門に着くと師匠がまさかの居てくれたので思わず安堵で目頭が熱くなり元気をもらえました。ゴール地点で待ってるとも言ってくれたので一刻も早く帰宅してもらおうと必死でゴールしました。
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ウルトラマン S君へ (U1)
2024-06-11 12:41:07
コメントありがとうございました。
心配かけてすみませんでした。
すばらしい結果でしたね。
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