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透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「本の駅・下新文庫」

2022-05-23 | g 読書日記

  
新村駅のホームから撮影した。この電車(なぎさトレインだった。)に乗って下新駅まで出かけた。  

 

 『本の駅・下新文庫』は文庫・新書(古本)を扱う小さな本屋さん。毎月1,2回上高地線の下新駅で開店する(過去ログ)。今月(5月)は18日(水)と22日(日)の午前11時から午後4時までの開店だった。昨日(22日)に出かけてきた。待合室に設置した書棚に並ぶ本はおよそ200冊、とのこと。私好みの本が多く、既に読んだ本も何冊も並んでいる。

買い求めたのは『親不孝旅日記』北 杜夫(角川文庫1983年)と『鉄道ひとつばなし』原 武史(講談社現代新書2003年第3刷)の2冊。2冊で270円はありがたい。

北 杜夫の作品はかなり読んだ。ただ文庫は大半が新潮文庫と中公文庫。角川文庫は『どくとるマンボウ昆虫記』だけで、この『親不孝旅日記』は読んでいなかった。

鉄道マニアではないが、自称「読み鉄」。だから鉄道本は読みたい。原 武史さんの本は何冊か読んだが、この本は読んでいない。講談社現代新書の昔のカバーデザイン、なつかしい!

昨夜『親不孝旅日記』を読み終えた。この文庫のカバー折り返しには**痛快爆笑ビックリユーモア傑作長編小説**と紹介されている。これ、小説なのかどうか、かなりリアルな記録ではないかと思う。

昭和55年(1980年)の12月、北さんは母親孝行しようとヨーロパ旅行に同行する。**「キミ子、おまえもたいへんだろうね。今度のあなたの旅行費用はあたしが出してあげるから、一緒にいらっしゃい」**(5頁)ということで奥さんも同行することに。

この旅行の時、北さんは久方ぶりに躁病で行く先々で騒動をまき起こし、顰蹙(ひんしゅくって難しい漢字なんだ、読めない書けない)を買う。奥さんとは旅行中じっと喧嘩をするし、せっかちだという母親を怒らせる。とても母親孝行の旅行とは言えない。でも、北さんの表現はユーモアに満ちているから読んで楽しい。

北さんのファンだからこれからも未読本が見つかれば読みたい。


 

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