透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

フジモリ建築見学記 2

2018-10-21 | A あれこれ

空飛ぶ泥舟

■ 高過庵で揺れた後、空飛ぶ泥舟へ(過去ログ)。

水にも浮かばない泥舟を空中に浮かべようという藤森さんの発想力、構想力はすごい。



空飛ぶ泥舟も揺れる。だが、ワイヤーは自然木より間違いなくリライアビリティが高いから全く安心。



この方向から見ると、4脚の哺乳動物のよう。既知のものに見立てて理解しようとするのはヒトの脳のクセ。



梯子を登っていざ中へ!



入口を中から見るとこんな感じ。銅板を張った2本の柱が見えている。



3連の突き上げ窓



大きなテーブルの両側に6人座れる。テーブルが場を規定し、落ち着く空間になっている。もっと大きな泥舟が構想されていたとのこと。


 


フジモリ建築見学記 1

2018-10-21 | A あれこれ

高過庵

 茅野市美術館主催のフジモリ建築見学会に参加した。高過庵、空飛ぶ泥舟、低過庵の内部に入ることができるという嬉しい企画。

今日(21日)は晴天、絶好の見学日和。茅野市民館に朝9時15分集合、午前の部の参加者は定員の25人程。用意されたタクシーに分乗して神長官守矢史料館へ。


茅野市神長官守矢史料館(1991年) 撮影日181021

神長官守矢史料館の前で藤森照信さんの説明を聞く。「時代も国籍も分からないヘンなもの」と、デビュー作について藤森さん自評。

この後、歩いて高過ぎ庵へ移動。参加者は予め7班に分けられていて、班ごとに3つの茶室の内部を体験する。


高過庵(2004年)撮影日181021



脱靴して梯子を登る。



下から見上げる。平面が5角形の茶室を支えるクリの木。揺れるだろうな・・・。床下の開口(躙り口?)から内部に入るようになっている。



梯子を登り踊り場へ、更に上の梯子で内部へ入る。この移動は火の見櫓と同じだなと、ふと思う。



梯子の片方の支柱を伸ばして、出入りしやすいように配慮してる。厚さ約40cmの床面、この中に茶室と支柱との接合部が納められている。一体どのようにジョイントしているのだろう・・・。

床に座る。やはり揺れる、揺れる。広さは3帖ないかな。



部屋の隅に設えた炉



天井のてっぺん



外開き窓から外を見る。空飛ぶ泥舟が見える。



別の大きな開口から神長官守矢史料館を見る。



10分ほど内部で過ごし、降りる。



踏み桟 下面をアーチ状に削り、強度を保持しつつ、手で掴みやすくしてある。

高過庵は海外でも紹介され、有名に。


 


古書店で飲む

2018-10-21 | A 読書日記

■ 久しぶりにMさんと飲む、と書けばふたりで飲んだと思われてしまうがいつもの通りY君も一緒。世界遺産巡りが趣味の彼女、前回会った時はエジプト土産をもらった。聞けば、来月モロッコに行くという。

この夜、最後の店が「想雲堂」という健全な飲み会。この店はコーヒーやお酒が飲める古書店。本に囲まれた空間で酒を飲みながら、本談義というのも悪くない。

 

書棚には読んでみたい本が並ぶ。『双体道祖神』伊藤堅吉/緑星社、『遙かなノートル・ダム』森 有正/筑摩書房 この2冊を買い求めた。



森 有正の本は『砂漠に向かって』 筑摩書房が書棚にあった。1981年3月に読んでいる。有名な『バビロンの流れのほとりにて』も探したがカオスな書棚に見つけることができなかった。

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『双体道祖神』の奥付を見ても発行年月日が載っていないが、かなり古い本だということは出てくる長野県内の町村名で分かる。

この本の著者の伊藤氏は1944年(昭和19年)に初めて道祖神とめぐり逢い、それ以来約30年に亘り、全国の道祖神を見て歩いたという。広く一般的に使われている「双体道祖神」という呼称は著者が1961年に民俗学会誌に提唱したものだそうだ。

双体道祖神の分布、碑形、碑量(大きさ)、像容、服装、持ち物など様々な観点から双体道祖神を論じている。実に興味深い内容で、これからの道祖神巡りに大いに参考になる。なかなか好い本と出合うことができた。