■ 理系本、文系本を問わず、興味のあるテーマの本は読みたい。
『科学報道の真相』瀬川至朗/ちくま新書のカバー折り返しの紹介文**(前略)長年科学報道の第一線に身をおいていた著者が、福島第一原発事故・STAP細胞事件・地球温暖化など、著名な事例を検証。さらに、研究機関や政府側からの発表構成、報道機関の自主規制、科学的不確実性の伝え方、社内組織のパワーバランスなど、科学報道がかかえる問題を分析。科学事件の構造、マスメディア自体が直面する問題を、生々しい現場から浮き彫りにする。**を読んで、買い求めた。
福島第一原発事故の炉心溶融などをめぐる政府、保安院、東京電力の一連の会見発表とマスコミ、特に全国紙の報道との関係の実証的な分析や、STAP細胞「事件」報道の経緯などを興味深く読んでいる。
本書の章立ては次の通り
序 章 科学報道はなぜうまくいかないのか
第1章 メディアはなぜ見抜けなかったのか STAP細胞問題
第2章 なぜ大本営発表報道といえるのか 福島第一原発事故
第3章 懐疑論をどう「公平・中立」に報道するのか 地球温暖化問題
第4章 マスメディア共同体の構造
第5章 「客観報道」と「公平・中立」の問題点を考える
終 章 科学ジャーナリストは科学者とどう向き合うべきか
序章で論考するテーマを提示し、第1章から3章で具体的に3つの大きなテーマについて各論的な考察をしている。第4、5章で総合的な論考をして、終章で課題を論ずる、という構成。
STAP細胞問題や福島第一原発事故について書かれた第1章、第2章を読んで感じたこと、それはメディアは権力や権威に阿ることなく常に冷静な目をもって対峙して欲しいということだ。
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