■ 『アンパンの丸かじり』に収録されている「アンパンのしみじみ」で東海林さだおさんはアンパンには表と裏があり、十人が十人、茶色い表を上にして食べていると指摘している。
東海林さんは**手に持ったとき、たまたま白いほうが上だった場合、わざわざ裏返して茶色いほうを上にしてから食べてはいませんか。**(132頁)と読者に問うているが、なるほど確かに私はそうしている。
「アンパンのしみじみ」を読んでから、なぜだろうと考え続けているが眉唾な説すら浮かんでいない。
食べるものの表裏、あるいは上下が決まっている場合には、表裏・上下そのままの状態を保持したまま食べているということだろうか? 例えばリンゴ、確かにへタのついた方を上にして、つまり木に生っている状態を保ったまま丸かじりする。
では柿は? 柿の場合はリンゴとは逆だ。ヘタの方を下にして、つまりヘタの方を手に持って反対側から食べる。木に生っているときとは逆して食べる。それはヘタが邪魔だからじゃないか? 確かに。
ではイチゴの場合は? ヘタがあってもなくてもヘタとは反対側から食べ始める、でしょう? トマト然り。
ショートケーキの場合は? お行儀は良くないが、手でつまんで食べる場合、イチゴがのっている方を上にしたまま食べる。この場合は逆さにするとイチゴが下に落ちてしまうから、という明らかな理由がある。ピザ然り。
ではチーズケーキをフォークを使ってお行儀よく食べる場合は? う~ん、口に入れるときは上か下かなんて気にしていない・・・。
あれこれ考えてもアンパンの場合、なぜ茶色い表を上にして食べているのか、なるほど!な説明が浮かばない。板チョコをかじる時も山というか、凸面を上にしている。
一体なぜ?