089 東筑摩郡生坂村にて
安曇野市堀金にて
■ 建築同様、火の見櫓も全体構成と細部の意匠を観察したい。観察のポイント(←過去ログ)
火の見櫓の全体構成でまず観察するのは立ち姿が美しいかどうか、そして周辺の環境との関係。細部の意匠で注目は屋根。屋根の形は様々、そしていろんな形の装飾もついている。前々稿の火の見櫓のようにかわいいハートがついていることも。
下の写真では見張り台直下に注目。円弧状の部材で構成されている。この部分の意匠も多様だ。櫓は下から同じ意匠が何段か繰り返され、この部分だけ別の意匠になっていることが多いようだ。
ところで大半の火の見櫓は屋根が鋼板でつくられていて(見張り台や踊り場の床も鋼板製の火の見櫓もある)、櫓や見張り台は等辺山形鋼、平鋼、棒鋼など、鋼製の線状材でつくられている。
火の見櫓は鋼製(*1)の線状材と面状材による造形だ。線と面のアートとも言える。構成素材が限定された「健康美」と火の見櫓を評したい。
火の見櫓っておもしろい。
*1 木製やコンクリート製のものもあるが数は少ない。