■ はやいものでもう2月。今年初めてのブックレビュー、先月読んだ本のアップ。
『NHK夢の美術館 世界の名建築100選』 本の帯に**あの番組が待望の書籍化!**とある。昨年かな、NHKで放送された「夢の美術館 世界の名建築100選」という長時間(8時間)番組をコンパクトにまとめた本。建築の魅力を的確に捉えた写真を見るだけで楽しくなる。おすすめの1冊。
フランスのモン・サン・ミシェル、二重の円柱を少しずらして配置している繰り返しの美学な回廊。左右対称の白い霊廟、インドのタージ・マハル。カッパドキアの地下都市などなど。訪ねてみたい建築が多数収録されている。
日本国内の建築から29選。長野県からは松本城。白漆喰と黒漆のコントラスト。月見櫓の赤い手摺がアクセントの美しい城。いつかじっくり観察しなくては。
今年は日本の伝統美に注目、ということで『雪月花の心』祥伝社新書、『日本の庭園 造景の技とこころ』中公新書を読んだ。今月も関連本が見つかれば読んでみたい。
■ 民家 昔の記録。今回は茨城県常陸幸田(当時)の民家。
切妻屋根の破風板。
破風板は母屋や棟木、桁の小口を塞ぎ、腐朽を防ぐという役目を負う。棟木を塞ぐ目板が懸魚(←過去ログ)に、軒桁を塞ぐ目板が下り懸魚に、それぞれ意匠的な要素が加わってなっていった。
母屋などの小口を塞ぐだけなら、「通し」でつける必要もないだろうが、こんな破風を見かけた。小さな破風板の連続。1979年10月撮影。
信濃毎日新聞の記事
「コーヒーって肉厚のコーヒーカップで飲みたいね」
「そうですね。紅茶だったら、白い無地のカップがいいな。やはり飲み物に相応しい器ってありますよね。それにBGM、コーヒーにはバッハ、紅茶ならモーツァルト・・・」
「なるほど。なんとなく分かる」
「このできたてのかりんとう、美味いですね」
「高校のとき、クラスマッチの賞品が久星のかりんとう一箱だったな」
「私の時もそうでした。でもどうしてかりんとうだったんでしょうね」
「理由は分からないな。いつ頃からなんだろうね。ところで数日前の新聞に国や県の予算が増えたので里山の間伐が大分進んでいるけれど、需要が少しも増えないので、間伐材が木材センターにぎっしりと積み上げられているって記事が載っていたけど、読んだ?」
「信毎に出てましたね。読みました。間伐材の需要がもっと増えないと・・・」
「そうだね。里山は間伐しないと健康な状態を保てないからね。で、間伐材がきちんとハケないと困る訳だ。土木とか、建築用資材としてもっと使えないのかな」
「そうですね。ところでU1さん、割り箸の需要がもっと増えることも、間伐材の需要に繋がると思いますか」
「う~ん・・・。割り箸って1年で1人200膳くらい使うらしいね。人口が1億2千万位だっけ? だからこの国全体で年間240億膳!ということになるかな。でも9割以上が中国からの輸入品なんだってね。それを国産の割り箸にすることができれば、まあ間伐材の需要にはなるだろうね」
「そうですよね。よくマイ箸ってエコ?地球環境に優しいの?って議論がありますけれど、現状だと中国の森はどんどん伐採されてその後植林がきちんとされていないって聞きますから、どんどん山の荒廃が進んでしまう・・・。衛星写真でもその様子が確認できるとか」
「そうだね。で、マイ箸ってことになるんだろうけれど。でもマイ箸を使う動機って単に使い捨てがもったいないとかいうことじゃないのかな。中国の森林の荒廃を防ごうなんて考えて使っているのかな。実際、割り箸の消費を減らすことが中国の森林保全に繋がるのかどうかね。ボクはそんなことは無いような気もするけど。もっとも、最近では中国でも伐採したあと植林をするようになったって聞いているけどね」
「そうですか。でも、少しばかりコストアップになっても国産の割り箸の需要が増えれば山の間伐材が売れて、国内の山の保全上有効だと・・・。それに割り箸もリサイクルしているんでしょうから、そのことをもっとPRすれば・・・」
「リサイクル・・・。パルプ材とか?」
「ええ」
「それでどのくらいの需要になるのか、イメージできないな。240億膳か・・・。輸送にエネルギーを使うし・・・。マイ箸の問題って単純にエコだとも、そうじゃないとも言えないんだよね。前提条件をはっきりさせておかないと議論がかみ合わないよね。
マイ箸がエコかどうかという問題は、論理的に自説を述べるという訓練にもなるね。条件の設定によってエコだとも、そうじゃないとも、どちらの結論を出すことも可能だと思うから」
「確かにそうですね。たかが割り箸、されど割り箸。割り箸でいろんなことを考えることが出来るんですね。マイ箸を洗う時、水を使うし洗剤も使いますね。それも気になります」
「ん? そうだね」
「例えば建築材料の選択でも今までのように経済性だけで判断することは改めていかないといけないと思いますけど・・・」
「そう、全く同感。どっちが環境に優しいのかということで判断する、ということにならないとね。でもなかなか判断するのは難しそうだな」