■ 東大寺南大門
『磯崎新の「都庁」』平松剛/文藝春秋より
■ 大分県医師会館
「GA ARCHITECT 6 ARATA ISOZAKI 1959-1978」より
■『磯崎新の「都庁」』平松剛/文藝春秋 を読んでいる。丹下さんと磯崎さんについての話題が満載で実に興味深い本だがタイトルに沿って内容を少し絞り込んでも良かったのではないかと思う。
さて今回の建築トランプは東大寺、イラストは南大門だ。この本にも東大寺南大門の写真が載っている。
磯崎さんは学生時代、長期休暇で帰省する際、毎回関西で途中下車して古建築を見て回ることにしていたそうだ。もちろんこの東大寺南大門も見ている。
そうだ! 僕は思い出した。日本名建築写真選集「東大寺」新潮社 に磯崎さんがエッセイを書いていた!
エッセイの書き出しはこうだ。
**東大寺南大門は、日本建築の歴史のなかで最重要の建物だ、と私は考えている。
個人的に建築を専門にするずっと以前に奈良を訪れて、そのときにはじめてみたときの印象が、四十年余りも持続している。**
更に磯崎さんは続けて書いている。
**その後に私は世界中の歴史に残る建築を、可能なかぎりみてきた。そのあげく、いくつかの日本の建物の評価を初期の印象から変更したいと思ったりしたが、この東大寺南大門だけは、やはり最重要だと、いまは確信をもって言える。**
そうか、磯崎さんの処女作、大分県医師会館のドーンと立ち上がる柱を使ったデザインって東大寺南大門から来ているのか・・・。