いく世しもあらじわが身をなぞもかく
海人の刈る藻に思ひ乱るる 詠み人知らず
どれほどの年月を生きられるかも、考えもしないわが身だが、漁師が採ってくる海藻にさえ私までもが、なんだかしらぬが思い乱れるのだろう。
海人の刈る藻に思ひ乱るる 詠み人知らず
どれほどの年月を生きられるかも、考えもしないわが身だが、漁師が採ってくる海藻にさえ私までもが、なんだかしらぬが思い乱れるのだろう。
世の中はなにかつねなるあすか川
昨日の淵ぞ今日は瀬になる 詠み人知らず
この世の中で不変ということはまずない。飛鳥川のきのうの淵が今日は
瀬となるのだか。明日のことなんかどうなるのか分かったものではない。
昨日の淵ぞ今日は瀬になる 詠み人知らず
この世の中で不変ということはまずない。飛鳥川のきのうの淵が今日は
瀬となるのだか。明日のことなんかどうなるのか分かったものではない。
世の中はなにかつねなるあすか川
昨日の淵ぞ今日は瀬になる 詠み人知らず
この世の中は常に不変のものであるものか。飛鳥川のきのうの淵が今日は瀬になるというのだから、あすのことなどどうなっているのか分かるものではない。
昨日の淵ぞ今日は瀬になる 詠み人知らず
この世の中は常に不変のものであるものか。飛鳥川のきのうの淵が今日は瀬になるというのだから、あすのことなどどうなっているのか分かるものではない。
思ひせく心のうちの滝なれや
落つとはきけど音の聞こえぬ 三条町
この絵は悲しい思いを外に表わすことを止められている心の中の滝なのでしょうか。涙が落ちていることは見れば分かりますが、泣き声が聞こえません。
落つとはきけど音の聞こえぬ 三条町
この絵は悲しい思いを外に表わすことを止められている心の中の滝なのでしょうか。涙が落ちていることは見れば分かりますが、泣き声が聞こえません。
裁ち縫はぬ衣着し人もなきものを
なに山姫の布晒すらむ 伊勢
吉野の竜門時には昔仙人が飛んできたというが、裁ちも縫いもしないで作った着物を着ていた彼らも今はいないではないか。なのに、何の目的に山の山姫は布を晒しているのだろう。
なに山姫の布晒すらむ 伊勢
吉野の竜門時には昔仙人が飛んできたというが、裁ちも縫いもしないで作った着物を着ていた彼らも今はいないではないか。なのに、何の目的に山の山姫は布を晒しているのだろう。