「106万円の壁」と「20年代に全国平均1500円」

　厚生労働省は2025年度最低賃金の調整を進めています。全国平均1100円になる見通しです。これにより、年収「106万円の壁」を超えるパート労働者は社会保険に加入しなければなりません。社会保険に加入するということは保険料を納付する義務が発生します。おのずと手取りは減ります。さらに保険料は労使折半なので、会社側の費用負担も発生することになります。中小事業者にとっては大きな負担です。と言って労働者が働く時間を調整すれば、事業者の経営にも影響が出ます。
　政府は「20年代に全国平均1500円」を目標としています。目標は高いですが、社会保険料負担を考慮すると、実質1400円前後と予想されます。これに物価上昇を加味した場合、1400円を下回ることになります。