タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

アフターピルの使い方

2015-04-22 21:09:30 | 婦人科
写真は篠山市宇土の奏志(そうし)くん、3月19日生まれ。
「周りを笑顔にするような明るい子に育ってください。
皆さん優しくて、きれいな部屋で、ゆっくりできてリフレッシュできました。」

次もタマル産で、というお褒めの言葉でしたよ。
敢えて、男の子はくん、女の子はちゃんで表記しています。
これが小学校に上がれば、男の子も女の子も「さん」付けなのでしょう?
それでは男の子らしく、あるいは女の子らしく、と願っても夢は叶いませんからね。

さて、今日は火曜日で、婦人科の話題ですよ。
ピルの処方は、日本では長年、許可されなかったのですよ。
なぜかと言えば、赤ちゃんの数が減るからです。
少子化対策には、ピルを処方しなければ効果が上がります。
実際、日本では1999年まで、世界に遅れて、避妊用のピルを処方できなかったのですから。
それまでも中容量ピルというのを、適応外で処方はされていたのですが。

正式に発売されてからは、低用量なので、副作用の血栓症なども、ずっと減ったのですよ。
ただし、できちゃった結婚も、きっと現象していることでしょう。

避妊用のピルには、毎日飲むピルと、性交後に緊急避妊薬として飲むアフターピルが有ります。
毎日飲むピルなら、100%避妊できるのですが、
アフターピルの方は、性交後3日以内(72時間以内)に2錠いっぺんに飲みます。
避妊成功率は81~84%と、100%にはほど遠いのです。
だからせっかく飲んでも、2割近くは妊娠してしまうという意味ですからね。
しかも通常のピルと違って、アフターピルはすごく割高の値段ですよ。

それでも時々、外来に取りに来られますね。
たいていは未婚の女性です。
保険証は一応、カルテを作るのに見せてもらいますが、
保険は使いませんし、自由診療ですから、親にばれることは有りません。
こういうのは内緒にしてほしいのでしょうから。

今までは、薬を出しておしまい、ということも多かったのです。
それはけっこう遠方から来られることも有るからです。
以前、日曜日も処方しますよ、と広告したら、
ネットで調べて、旅行中の方まで来られたので、これではフォローできないな、
ということで、やはり診療時間内に限ることとしました。

ここからは、私の反省なのですが、
次の月経まで、性行為を我慢できるかできないか、という質問をしてこなかったです。
ピルを処方するくらいだから、次は慎重になるだろおう、と勝手に思っていたからです。
ですが、アフターピルを飲んでも、次の月経までにもまた我慢できない方が居られるのです。
1周期で2回も処方する羽目になることが有るのです。

それはさすがにいけないでしょう。
ですからこういう時はどうするかと言えば、
次の月経まで我慢できるなら、月経が来るまで待つこと、
もし我慢できそうもなければ、アフターピルを処方すると同時に、
普通のピルを1シート処方して、次の日から21日間、飲んでもらうのです。
そうすれば、さらに妊娠率を下げることができると、最近言われているからです。
反省点とは、このことです。そこまでは処方してこなかったからです。
そしてさらに、翌月からは通常のピルを内服するように勧めています。

ついでに言いますと、処方3週間後に、もう一度来院してもらうといいですね。
性行為が有って、3週間以内に月経が来ていれば、妊娠していないということですし、
まだ来ていなければ、妊娠反応を検査します。
陰性なら安心です。絶対では有りませんが。次の月経をもう少し待てばいいのです。
陽性なら、避妊に失敗したということが分かりるからです。

もう1つ知っておいていただきたいのは、性交後3日を超えてしまったらどうするか?
5日までならIUD(子宮内避妊具)の、銅付加タイプを挿入することです。
ただし、赤ちゃんを産んだことの有る女性に限りますが。
ですが避妊目的の方は、未婚の女性の方が多いですから、使いにくいかもです。

結局、私は避妊などはお勧めしません。
できちゃっと婚で、赤ちゃんを産んでいる女性はたくさん居るからです。
ただしこれは個人的な見解で、望まれるならいつでも処方していますよ。




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