タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

臍帯下垂と巻絡の違い

2017-11-08 20:17:22 | 産科
篠山市谷山の志衣(しえ)ちゃん、10月4日生まれ。
「芯の通った、優しい子に育ってください。
みなさんとても優しく接してくださいました。
次も今回同様、リラックスして、ゆったりした気持ちで、お産に臨みたいです。」

初めてのお産も、無事に乗り切ることができたようですね。
初めてのお産がたいへんなのですよ。
2人目からは、案外楽をして産めますけれどね。

中国では1人っ子政策が終わったと思ったら、今年は2人目のお産ラッシュだそうですよ。
だから初産婦さんより経産婦さんの方が多いらしいです。
今までは中国と言えば、1人しか産めないものだから、帝王切開がすごく多かったのですよ。
ところが2人産めるようになれば、帝王切開率も下がっているようですよ。

それに対して、日本では経産婦さんより初産婦さんの方が多いように感じています。
2人目を産むお母さんが減ってきたせいでしょう。
このままでは20年後には、中国の人口はもっと増えているでしょうが、
日本の人口はさらに減って、その差は開いていくばかりでしょう。
そして日本では帝王切開率も、どんどん上がっていくことでしょうね。

どうも日本人は貧乏神に取り憑かれているようで、
子供を産むと自分の生活が台無しになると考えている人たちが多いようです。
子は財産ですから、赤ちゃんを産むことで、自分の財産が増えるというのにね。

さて、今日も昨日の夜中も赤ちゃんが生まれましたよ。
9月からお産ラッシュで、休む暇も有りませんね。
それで最近のお産で、臍帯下垂(さいたいかすい)という異常が有ったのでお話してみましょう。

よく似ている臍帯巻絡(さいたいけんらく)というものは、本当に多いのですよ。
お産の時に心音が下がって、胎児の状態が悪くなると言えば、まず巻絡です。
へその緒がピンと引っ張られて、陣痛の度に、しんどくなるのです。

それに対して、臍帯下垂の方は、陣痛に関わらず、もちろん陣痛に合わせても起こりますが、
ずっとしんどくなるところが違います。
へその緒はピンと引っ張られるのではなく、むしろダランと垂れ下がるのです。

さかごの時にはよく起こります。
さかごはよく、あぐらをかいたようにして生まれてきますから、
股の間からへその緒が垂れ下がることが有るのですよ。
これは怖いのです。

心音が突然大きく下がって、緊急で帝王切開するにも、時間がかかりますからね。
お産では、何が起こるか分かりませんね。
そういう意味では、さかごでは帝王切開、という流れにあります。
タマル産くらいになりましたか?
希望の有るお母さんには、経膣的に産んでもらっているのは。

さかご以外で、臍帯下垂が起こるのは、滅多にありません。
でも稀に有るのですよ。
そうですね、胎児が小さい場合か、逆にお母さんの骨盤が広すぎる場合ですね。
要するに、余裕が有り過ぎる場合に、へその緒が、隙間から下がってくるのです。
この場合も心音が下がって、こちらの心臓も止まりそうになるのですよ。

ひどい場合は、頭より先に、へその緒が出て来ることが有ります。
軽い場合は、生まれた時に、へその緒も一緒に出てきて初めて診断が付くことも有りますよ。
どちらにしても、巻絡以外に下垂も有る、と知っておくくらいで良いでしょう。

このブログも一気に書いているものだから、
誤字脱字だらけだ、と苦情が有りました。
まあ、その方はその前からクレーマーの兆候が有ったのですが。
他にも、切迫早産になったのはクリニックの指導が悪いせいだ、
あるいは乳腺炎になったのは、助産師の指導が悪いせいだ、などというお叱りも。
すごい剣幕で、市に抗議に行くということでしたよ。

こころを尽くしても、尽くしても、喜んでいただける時代は終わりかけているようですね。



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