タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

妊娠中の静脈瘤

2016-01-25 21:12:51 | 産科
昨年、ピルの副作用で静脈血栓症になることが有る、という話が話題になりました。
この静脈血栓症って、ご存知でしょうか?

ちょうど足の付け根、ソケイ部の辺りの深い静脈に血栓ができて、痛みを生じます。
もしくはいきなり、血栓が肺に飛んで、肺梗塞になることが有ります。
こうなると突然の呼吸困難になったりするのです。

私の経験では、むかし中容量ピルで、この肺梗塞の副作用が出た人が1人居られます。
同じ病院で治療していただきました。

ピルの副作用ではないのですが、妊娠中の中期頃に、
突然、足の付け根が痛むという方が居られて、
整形に紹介したのですが様子を見るようにと言われ、
痛みが続くため、さらに外科に紹介したら、この深部静脈血栓症であることが判明し、
治療を受けられました。

もう1人、卵巣癌の化学療法中に、静脈でなく、動脈血栓症となった方が居られ、
血管外科の有る病院に搬送し、血栓除去のカテーテル手術を受けられました。
この時は股関節の痛みとは別に、その末梢である足の甲側の動脈の脈拍がよく触れませんでした。
カテーテル手術の間、放射線の透視装置下で血栓を除去するのですが、
血栓を取り除くところまで見せてもらったのを覚えています。

ただ、妊娠中に股関節が痛むという方は、けっこう居るられるのですよ。
だからそんな時は、いきなり血管外科へ、とはいきません。
少し様子を見られてもいいかもしれませんね。
もちろん増悪すれば、精密検査の適応になりますよ。

そこまでいかなくても、妊娠中はよく、足(下肢)の静脈瘤を訴えられることが有ります。
これは深部の静脈でなく、浅いところの静脈の流れが悪くなるために起こるものです。
さらに表層の静脈では、蜘蛛の巣のような、と表現されますが、
表在性血栓性静脈炎ということも有ります。

いずれも、弾性ストッキングを着用して、なんとかお産まで我慢してもらうのですよ。
産後は急速に改善していきますからね。
もちろん持続する場合は、外科の先生に相談することになります。

以前は弾性ストッキングもサイズや長さもいろいろなものを揃えていたのですが、
手術時のものだけの在庫としていますよ。
マタニティー用のものは、ネット通販や薬局で買ってくださいな。
マタニティー用には、おへそまでのものが有りますよ。
外陰部の静脈もよく腫れますからね。

ですが一番いいのは、ご主人に寝る前に足を下から上にさすってもらうことなのですが。
そんなきとくなご主人だったらいいのに?

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