タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

田舎で不妊治療

2016-01-27 21:50:46 | 不妊症
篠山市味間南の天翔(あまと)くん、12月28日生まれ。
「みんなから愛され、幸せに、天に大きく翔んでください。
みなさん親身になっていただき、快適に過ごせました。」

若いお母さんですが、3人目だったのですよ。
みなさん、赤ちゃんを産む毎に、お母さんらしくなっていかれますね。

親の愛を知るには、やはり自分が親になってみなければ分からないものです。
夫婦の間の愛もそうですね。
兄弟姉妹の愛もそうです。1人っ子では、愛が育たないかもしれませんよ。

ネットでニュースを見るのは当たり前になっていますね。
ドイツの企業が精子の動きを活発にする、スパームボットという装置を開発したというニュースが有りました。
https://www.youtube.com/watch?v=Ww-x-VIFh-Q
これは一度見たら、忘れられないものになりそうです。
動きの悪い精子のシッポを介護してあげるような、ミクロの装着具ですよ。

精子の動きが悪いことによる不妊症は、頻度的には高いです。
こういう場合は、人工授精をしてあげるのです。
人工授精とは、精子を子宮の中に入れることを言います。

精子は膣内に射精された後、子宮の中を登っていかなければならないのです。
さらに卵管の中を登って、そこで待っている卵子まで辿り着かなくてはならないのですから。
子宮頸管粘液は、細菌が入ってこないように殺菌作用が有るために、
元気な精子しかここを通り抜けることはできないのです。

さらに卵子の壁(透明帯)をくぐり抜けて受精するためにも、
精子のシッポの回転による推進力は必要なのです。
これを手助けできたなら、もっと受精の確率が上がりそうですね。
まだヒトでの成績ではないようですが。

この初歩的な治療で妊娠しなければ、体外受精に進むことになります。
ただし体外受精の段取りをしていても、元気な精子が少なければ、顕微受精に回ることも有ります。
顕微受精とは、卵子1個に対して、1匹の精子を細い針やレーザーで透明帯を突き破って、
精子を卵子に注入する技法です。
これにも先ほどのスパームボットが使えそうですよ。

顕微受精は、スポイトを操作するのに技師の手腕が問われるところですが、
ここが改善されれば、より成功率が上がりそうですね。

お正月に、タマル産での不妊治療の成績を公開しましたように、
人工授精でも、けっこうのカップルが妊娠されるのです。
それでも場合によっては体外受精までおすすめすることも有ります。
まだまだ抵抗が有る方が多いようですが、不妊専門医がすすめる場合は、従った方がいいと思うのですよ。

それで神戸方面なら英ウィメンズクリニックさんに紹介することが多いです。
そして今回から大阪方面なら、扇町レディースクリニックさんに紹介しています。
英さんの塩谷院長も扇町さんの朝倉院長も、私の先輩で、しかも優しい。
もちろん成功率が高いのは言うまでも有りませんが。
とくに朝倉先生とは、治療周期中でも、頻繁にやりとりをして、患者さんに即した治療をしていますよ。
これで田舎に居ながら、わずかな労力で、都会の治療を受けられるのですから、
時代も変わったでしょう?

もう1つ、ネットでおもしろい記事が。
中国のある精子バンクでは、ドナーから提供される精子の合格率が年々低下しており、
2006年の合格率は45・9%だったのが、10年には37・9%、
14年は17・9%となり、15年上半期には17・8%になったそうです。
この5年だけでも半分以下になる計算だそうですよ。

私が考察するに、中国では癌になる人が著増しているように、
環境ホルモンのせいではないかと疑っていますよ。
世界的に、この精子の能力の低下が言われていますね。
さて、ヒトはいつまで子孫を残すことができるのでしょうか。








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