タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

地域の医療連携

2017-11-15 21:11:42 | 産科
篠山市宮田の杏(あん)ちゃん、10月11日生まれ。
「みんなから愛される、心の優しい子に育ってください。
陣痛中、隣で励ましてくださり、安心して出産できました。
みなさん、とても親切でした。」

お姉ちゃんが人形の赤ちゃんを抱っこしているものだから、
3人姉妹のようですね。

そう、今日は七五三なのですね。
私も篠山に引っ越してきた時に、篠山の春日神社に子供たちを連れていきました。
千歳飴を持った姿がかわいかったのを、今でも覚えていますよ。
産後に授乳が終わって、続けて赤ちゃんを産むと、ちょうどそれくらいの年齢の3人兄弟になりますからね。

今日は、赤ちゃんが3人も生まれて、またたいへんな1日でしたよ。
3人ともへその緒が首に巻いていて、けっこうたいへんでした。
1日に2人も帝王切開したのは、開業以来初めてのことですからね。
夜中からずっとお産に付き合って、もちろん朝と夕の外来もこなしてです。

この秋はお産のラッシュでしたが、この冬はすこしゆったりできそうです。
昨日、三田市民病院の産婦人科部長の神田先生と事務の方が2人、タマル産にやってこられました。
柏原で最初に開業した時は、県立柏原と日赤さんの産婦人科、小児科、
それに丹波市の開業の先生、全員のところに挨拶回りをしたのですよ。

ですが篠山に引っ越ししてからは、とくに挨拶回りはしなかったものだから、
三田市民病院の先生とは、お会いしたことが無かったのです。
もうすぐ20年にもなるというのに。
ですが外来で紹介することはよく有るのですよ。

神田先生は、とても優しそうな先生でした。
私より5つほど年下の先生のようですね。
以前は3人体制だったのですが、若い先生も来られて4人体制のようです。

先月は、県立柏原病院の小児科の先生と事務の方々が、タマル産に来院されたのは報告しましたね。
さらにその前は、済生会兵庫県病院の小児科の先生や事務の方々が来院されました。
理由は、地域医療連携の構築です。
研修病院として若い先生を指導するためには、他院からの紹介を受けている必要が有るからでしょう。
病院の紹介率は、公表されますからね。

紹介されない病院というのは、1次医療機関になってしまいます。
できれば2次、3次医療機関の方がメリットは有ります。
タマル産はもちろん1次医療機関です。
例えば兵庫医大さんも、1次医療機関です。
産婦人科に関しては、紹介を受け入れておられませんからね。

三田市民は2次医療機関でしょう。
県立柏原は2.5次くらいでしょうか。
済生会は3次でしょう。
そうして、患者さんの症状に合わせて、必要が有れば紹介しています。
さらに高次医療機関は、神戸中央市民病院や、こども病院、神戸大学などにも、
救急車で直接搬送することは有りますよ。

1次医療機関のタマル産の仕事と言えば、
手に負えない患者さんは、すぐに適切な医療機関に紹介や搬送することですからね。
そういう意味では、篠山市の救急隊のお世話によくなっているクリニックと言えるでしょうね。

先日、赤ちゃんが仮死で生まれたのです。
開業してから一番たいへんなお産でしたよ。
一晩中お産に付き添って、なんとか明け方に生まれたのですが、
思っていた以上にしんどかったらしく、
すぐに普段から練習しているように、新生児の蘇生術をして、済生会までひとっ飛びです。

済生会では1晩、さらに救急処置をして、
翌日こども病院に転院となり、とっても心配していたのですよ。
新生児の入院は順調でも2週間ほどかかりますからね。
後遺症でも残れば、年単位で入院ということも有るのでしょう。

ですが、わずか2週間で退院となり、こども病院の先生も奇跡だと言われていたそうです。
そして今日、1ヶ月健診で母子ともに来院されたのですが、
すっかり大きく元気な赤ちゃんになられていました。

お母さんは素早い処置に、むしろ感謝されておられて、
私もスタッフも、とても感動したのですよ。
赤ちゃんの生命力は、本当に強いですね。
医療連携の必要性も、とても重要だと感じた次第です。