タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

不育症の原因をご存知?

2017-11-13 21:14:12 | 不妊症
三田市母子の智哉(ともや)くん、10月10日生まれ。
「優しくて、頼りにされる子に育ってください。
とても出産しやすかったです。1人目より陣痛の痛みがましだったように思います。
みなさんとても優しくて、親切にしてくださいました。」

前回のお産は、近くの大きな病院だったのですよね。
2人目だから、タマル産に来院されたのでしょうか。
そういう選択も有りでしょうね。
とかく1人目のお産はたいへんになります。
帝王切開になることも多いので、無事に産んだお母さんは、
2人目はずっと楽なので、クリニックで機動的に産むという選択も有るのでしょう。

それでは、今日は不育症、あるいは習慣性流産のお話をしてみましょう。
何度もお話してはいるのですが、またすぐに忘れてしまいますよね。
それに、不妊症とも関係が有りますからね。

一度も妊娠しなければ、もちろん不妊症です。
1人赤ちゃんを産んだ後で、なかなか妊娠しなくても不妊症です。
流産が2回続けば反復流産。
3回続けば習慣性流産ということになります。
後者をまとめて不育症と呼ぶのです。

流産が続くと、あるいはたった1回でも流産すると、がっかりしてしまいますね。
3回続けば、検査をした方が良いのです。
ですが実際には2回続けば、検査をしたくなるのでしょう。
流産の原因の多くは、胎児側が理由なのですが、
流産が続くと、お母さんやお父さんまで検査をすることになります。

一般的な習慣性流産の検査としては、
子宮の異常や、甲状腺機能の異常、糖尿病が無いか、という女性側の検査。
特殊な抗リン脂質抗体症候群や、凝固異常も女性側の検査です。
それにお母さんとお父さんの染色体の検査もします。

ですが、これだけ検査しても異常無しということも多いのですよ。
それにこれだけでは、原因の40%ほどで、
残りの60%は原因不明と出ます。

抗リン脂質抗体が陽性の場合は、治療が見つかっていて、
アスピリンやヘパリンという抗凝固療法をすることで、
高い確率で、次の流産を回避することができるのです。

けれど原因不明の場合は困りますね。
一番良いのは何もしないことだと言われます。
ですが何かしたいですよね。
それでアスピリンやヘパリンを使用することも有ります。
ひょっとしたら何もしなくても、流産しなかったかもしれませんが。

ここまでが教科書的な話題でした。
でもね、1番重要な原因と、2番目に重要な原因が抜けています。
それは喫煙していることです。
お母さんであることも有るし、お父さんが家で吸っていることでも有ります。
禁煙したのに、と言われるお母さんも居られますが、
たいていは妊娠が発覚してからで、すでにその時は妊娠6週くらいになっていますからね。

2番目に重要な原因は、お母さんの年齢です。
35歳を過ぎていれば、流産してもおかしくはありません。
もちろん35歳未満でも流産をすることは有りますが、
続くことは稀ですからね。

タマル産の不育症外来を受診された方には、一覧表をお渡ししていますよ。
元気な赤ちゃんを産むために、一緒に頑張っていきましょう。