年賀状も1枚1枚紹介すると、とてもおもしろいのですが、
最近は個人情報がどうの、と気にする方が多くなったので、集合の写真だけにしておきましょう。
でもいくつか思い出深いものも有るのです。
昨年の末に、妊娠33週で、切迫早産のために、
大雪の日に救急車で福知山市民病院まで転院していただいたのですよ。
あまり福知山に紹介することは無いのですが、福知山の方だったのでそうしたのです。
もう1つの理由は年末でどこの病院も混んでいたというのがあります。
普段は探せば、救急で受け入れてもらえる病院は有るのですが、
年末年始はどこも一杯、しかも人手不足なのです。
近くでも大きな病院は有ると思われるでしょうが、
済生会兵庫県病院や三田市民病院、県立柏原病院、福知山市民病院、アドベンチスト病院など、
どこも妊娠34週からでないと、受け入れてもらえません。
その週数より浅い週数で、赤ちゃんが生まれそうな時は、
こども病院、神戸の中央市民病院、神戸大学などしか、救急車で1時間の距離では難しいのです。
ちなみにタマル産でも妊娠34週以降では、産んでいただくこともよく有ります。
今回は33週だったのですが、無理を言って受け入れていただきました。
胎児は週数が1週間違うだけでも、大違いなのです。
だいたい32週頃に肺が形成されるので、32週を過ぎていれば、
人工呼吸器を付けなくても、自分で呼吸ができるのです。
さらに34週を過ぎていれば、保育器にさえ、長くは入らなくてもいいことが多いのです。
私が研修医の頃は、妊娠28週だと、助かるかどうか半々という状況でしたが、
今はまず普通に育ちます。
一番大きい理由は、肺のサーファクタントという薬剤が使用できるようになったからでしょう。
これを使うと、妊娠32週未満でも、自分の力で呼吸ができるようになったからです。
この薬が出て来る前は、長い期間、人工呼吸器を付ける必要が有ったのですね。
ちなみに切迫早産という病気は、非常に頻繁に生じます。
今も病棟には、早産しそうなために、子宮収縮抑制剤を24時間点滴している方が居られます。
常に誰か入院されていると言っても過言ではないのですよ。
目標は37週まで。ですが、34週になればかなり安心できるというわけです。
年末には、2人早産されて、3人目を妊娠された女性に、
子宮の出口を縛る手術をしました。
むかしは1人早産すると、次の時は子宮の出口を縛る手術をよくしたものですが、
最近は3人早産したら、なんていう適応に変化しました。
ですがそれって、4人も赤ちゃんを産まないといけないから、そんな可能性はゼロに近いでしょ?
一度、以前にお話したことが有る、ペッサリーを入れる方法というものも試してみたいのですが、
まだ日本では一般的ではないので、もう少し様子をみてからに致しましょう。
ここまで書いて、お産が有りましたので、また更新が遅くなってしまいました。