タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

おめでとうございます

2015-01-05 20:41:33 | つれづれ
あけましておめでとうございます。

写真は今年の年賀状に使ったものなのです。
タマル産へ年賀状を頂いた方には、なるべく返事を差し上げていますよ。
その代わりに、皆さんから頂いた年賀状は、受付に貼り出させていただいています。

少し昨年末の復習からさせていただきます。
まず、皆さんから寄付して頂いたオギャー献金の1年分を、
昨年末にまとめて寄付致しました。
額は8,188円でした。
御礼申し上げます。

ところでこの1週間で、インフルエンザが猛威を振るっています。
この冬、篠山市のインフルエンザの感染者数は既に1,036人ですが、
前週の1週間だけで、新しく525人の方が感染されました。
お正月明けですから、無理をしないでください。
今、うちの子たちも順番に風邪をひいています。インフルではありませんでしたが。
妊婦の方も充分に休養をお取りください。

今年の年末年始は、お産が連日続きました。
おかげでお見舞いの方も普段より多かったですよ。
幸せな年の初めになりましたね。

そんな中でも、やはり異常なお産は時に有るものです。
昨年の終わりに常位胎盤早期剥離かな、というお産が有ったことをご報告しました。
年始にもよく似たお産が有りました。
2人のお母さんで共通していたのは、へその緒が首や足首に捲いていたということです。
いつも言うのですが、へその緒が胎児の首に捲いていることはよく有ります。
3、4人に1人と言われます。
今回のように首に捲いていなくても、足首や胴体に捲いていることもよく有ります。

へその緒が捲いていると、陣痛が始まって胎児が下がってくると、
胎盤が引っ張られてしまうのです。
それで胎盤の一部が剥がれてしまうことが有るのですよ。

胎盤が少しだけ剥がれると、胎児の心拍が下がったり、
子宮の口から出血してきたりすることも有るので、注意が必要です。

胎盤が1/3程度剥がれてしまうと、悲しいことですが、
お腹の中で胎児が亡くなってしまいます。
残念ながらこれを予期することはできないのですよ。
だから、予定日が近づくと、突然、子宮内胎児死亡が起こることが有ります。
タマル産でも数年に1人は生じています。これは避けられません。

妊娠中期から後期にかけて、子宮から出血すると言えば、
この常位胎盤早期剥離と前置胎盤、それに切迫早産の3つを覚えておかなければなりませんね。

今回は、心音が下がって、出血も増えてきてリスクの高いお産でしたが、
用手的に子宮口を開大して、誘導することにより、
経産婦さんだったので10分程でお産することができ、無事元気に生まれました。
むしろおめでたい話でしたね。

帝王切開すればいいだろう、と考える方も居られるでしょうが、
緊急の帝王切開と言えども、30分程度はかかるので、
むしろ熟練した産科医が誘導する、あるいは吸引分娩する方がリスクが低いことはよく有るのです。

年の初めにまた怖い話をしてしまいましたが、
お産は常に、気を緩めてはいけないということです。

年の初めはいつも昨年の統計等を報告しているのですが、
今年はお産続きでしたので、まだもう少しお待ちください。

それでは今年も良き1年でありますように。