竹取翁と万葉集のお勉強

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拾遺和歌集 巻3 歌番号177から181まで

2024年08月22日 | 拾遺和歌集 現代語訳 巻3

歌番号 177 拾遺抄記載

詞書 題しらす

詠人 かねもり

原文 与毛須可良 美天遠安可佐武 安幾乃川幾 己与比乃曽良仁 久毛奈可良奈无

和歌 よもすから みてをあかさむ あきのつき こよひのそらに くもなからなむ

読下 終夜見てをあかさむ秋の月こよひのそらにくもなからなん

解釈 一晩中に眺めていても飽きることが無い、秋の月、ですから、今夜の空には雲があるはずがありません。

 

歌番号 178

詞書 廉義公家にて、草むらのよるの虫といふ題をよみ侍りける

詠人 藤原為頼

原文 与毛須可奈 伊川己奈留良武 々之乃祢遠 堂川祢者久佐乃 川由也三多礼无

和歌 おほつかな いつこなるらむ むしのねを たつねはくさの つゆやみたれむ

読下 おほつかないつこなるらん虫のねをたつねは草の露やみだれん

解釈 はっきりしないなぁ、どこで鳴いているのだろうか、その虫の音を尋ねて歩きまわると、きっと、草に置いた露が乱れて散るだろうし。

 

歌番号 179 拾遺抄記載

詞書 前栽にすすむしをはなち侍りて

詠人 伊勢

原文 伊徒己尓毛 久左乃万久良遠 寸々武之者 己々遠多比止毛 遠毛者佐良奈无

和歌 いつこにも くさのまくらを すすむしは ここをたひとも おもはさらなむ

読下 いつこにも草の枕をすすむしはここをたひとも思はさらなん

解釈 どこででも草を枕にして住む、鈴虫は、この私の屋敷を草を枕とする旅路とは思わないでください、(ずっと、ここで鳴け。)

 

歌番号 180 拾遺抄記載

詞書 屏風に

詠人 つらゆき

原文 安幾久礼者 々堂遠留武之乃 安留奈部尓 可良尓之幾尓毛 美由留乃部可奈

和歌 あきくれは はたおるむしの あるなへに からにしきにも みゆるのへかな

読下 秋くれははたおる虫のあるなへに唐錦にも見ゆるのへかな

解釈 秋が来て、日が暮れ行くと、機を織る動作をする機織り虫がいるように、その機織り虫が織ったような唐錦にも見える、野辺の景色です。

 

歌番号 181

詞書 題しらす

詠人 よみ人しらす

原文 知幾利个无 保止也須幾奴留 安幾乃々尓 比止万川武之乃 己恵乃多衛世奴

和歌 ちきりけむ ほとやすきぬる あきののに ひとまつむしの こゑのたえせぬ

読下 契りけん程や過きぬる秋ののに人松虫の声のたえせぬ

解釈 約束した時期が過ぎてしまったのでしょうか、その過ぎるの言葉ではありませんが、季節が過ぎ行き秋の野に人がその鳴き声を待つ、松虫の鳴き声が絶えることなく聞こえてきます。

 

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