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竹取翁と万葉集のお勉強

楽しく自由に万葉集を楽しんでいるブログです。
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拾遺和歌集 巻18 歌番号1199から1203まで

2025年06月11日 | 拾遺和歌集 現代語訳 巻18

歌番号 1199

詞書 女のもとにつかはしけるふみのつまをひきやりて、返ことをせさりけれは

詠人 よみ人しらす

原文 安止毛奈幾 加川良木也万遠 布美々礼者 和可和多之己之 加多者之可毛之

和歌 あともなき かつらきやまを ふみみれは わかわたしこし かたはしかもし

読下 あともなきかつら木山をふみみれはわかわたしこしかたはしかもし

解釈 人跡も無い葛城山を踏む、その言葉の響きではないが、文の見ると、私が貴女の許に渡し寄こした、葛城の久米路の橋ではありませんが、片端なのでしょうか。

 

歌番号 1200

詞書 人のさうし、かかせ侍りけるおくにかきつけ侍りける

詠人 よみ人しらす

原文 加幾徒久留 己々呂美恵奈留 安止奈礼止 美天毛志乃者武 比止也安留止天

和歌 かきつくる こころみえなる あとなれと みてもしのはむ ひとやあるとて

読下 かきつくる心見えなるあとなれと見てもしのはむ人やあるとて

解釈 草紙の奥書に書き付けた人の気持ちを覗わせる書き付けではありますが、それを見て、草紙の内容を理解してくれる人が居るのではと、思い記しています。

 

歌番号 1201 拾遺抄記載

詞書 大納言朝光、下らふに侍りける時、女のもとにしのひてまかりて、あかつきにかへらしといひければ

詠人 春宮女蔵人左近

原文 以者々之乃 与留乃知幾利毛 多恵奴部之 安久留和比之幾 可川良幾乃加美

和歌 いははしの よるのちきりも たえぬへし あくるわひしき かつらきのかみ

読下 いははしのよるの契もたえぬへしあくるわひしき葛木の神

解釈 久米路の石橋の工事が途中で終わったように、貴方とのこれらの夜の契りも絶えてしまうでしょう、夜が明けると正体が明らかになり侘しく見える葛城の神のような私ですから。

 

歌番号 1202

詞書 入道摂政まかりかよひける時、女のもとにつかはしけるふみを見侍りて

詠人 春宮大夫道綱母

原文 宇堂可波之 保可尓和多世留 布美々礼者 和礼也止多恵尓 奈良无止寸良无

和歌 うたかはし ほかにわたせる ふみみれは われやとたえに ならむとすらむ

読下 うたかはしほかにわたせるふみみれは我やとたえにならむとすらん

解釈 貴方の恋心が疑わしい、貴方が他の女の許に渡らせる文を見ると、私との関係は今にも絶えるようになってしまったみたいです。

 

歌番号 1203 拾遺抄記載

詞書 題しらす

詠人 よみ人しらす

原文 伊可天加者 堂川祢幾川良无 与毛幾不乃 比止毛加与者奴 和可也止乃美知

和歌 いかてかは たつねきつらむ よもきふの ひともかよはぬ わかやとのみち

読下 いかてかはたつねきつらん蓬ふの人もかよはぬわかやとのみち

解釈 いったいどのようなことがあって、尋ねて来たのでしょうか、蓬が生い茂る人も通わない私の屋敷への道を通って。

 

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