旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

知性豊かな人々

2010-01-26 20:26:12 | 時局雑感

 

 銀行には30年勤務しただけに、様々なOB会がある。一番小規模なのは二人で不定期に会っているものから、三人というのも有り数人規模から数十人規模のものもある。その中の一つに「むつみ会」というのがあり、これが一番中身が濃い。中身が濃いというのは、そこに集まる人たちが極めて知性にあふれていることによる。
 総勢20名ぐらいであるが、その中に7組の夫婦が含まれているので、数の割にはこじんまりした会である。銀行時代には部長や支店長を歴任した人もいるが、世にいう“冷徹な銀行マン”というタイプではなく、若いときには組合活動や文化活動の先頭に立った人たちが多い。主催者のK氏自体が、本来漫画家になるべきところが間違って銀行員になったような人で、絵画、映画、音楽、古典文学とその文化領域は果てしない。
 また、銀行のカウンターに座布団乗せてそこに座り、客席に従業員を座らせて落語を一席やった人や、中学生の頃から築地歌舞伎座に通い、その回数は何百回に達するが一階や二階席に座ったことは数回で、常に三階の定位置(〇〇屋!と声をかける向こう桟敷)に通い詰めたという落語通、また神社仏閣の話となれば専門家も顔負けの人から絵描きに至るまで多士済々・・・。
 その水準からして、私などは入れてもらえる筋合いに無いのであるが、銀行員で酒の本を出したやつはあまり居ないので、どうせ集まれば酒を飲むので何かの役に立つかもしれないと末席のおこぼれを頂いている。

 その集まりが一昨日あった。平均年齢約70歳だが、集まった人たちは意気軒昂、老いてますます盛んな高水準の話でいっぱいであった。しかしさすがに「当日手術と重なった」人が二人も居て(心臓と腸)残念であった。高い知能と豊かな文化水準をもってしても、肉体の衰えは防げないものなのか・・・? しかしそのお二人も、次回は元気に参加されるに相違なく、楽しみな会である。
                          


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