24節気の清明は4月5日であった。それに6日遅れで触れるのには理由があった。実はその前日、4月4日の午前7時50分に母が95歳の天寿を全うして他界した。その日、急遽ふるさと臼杵に帰ったこともあり、このブログも一週間の喪に服したというわけ。
それはさておき…、24節気の中でも清明というのは意外に知られず、意味も難しい。前にも引用させていただいた㈱アイティビイ社の『言の葉草』によれば、「万物発して清浄明潔なればこの芽は何の草としれる也」とある。春分を過ぎ、春は盛りを迎え万物咲きにおい、それぞれが明確にその個性を主張する様を表現しているのであろう。そして、その時期の食材の第一に筍があげられている。
そういえば、母の葬儀を終えた翌6日に、従妹が「裏の竹山から今掘ったばかりのタケノコよ。食べて、食べて…」と持ってきてくれた筍は美味しかった。その柔らかさ、新鮮な香り、ほのかな苦味…、旬のものには何物も勝てない。
私はその旬の筍をふるさと臼杵の酒「一乃井手」特別純米酒などを飲みながら食べた。これはこれでたまらなくマッチしたが、私が清明とともに思い出すのは”花の名前の酒”だ。春の花でも梅なら「臥龍梅」や「利休梅」など、桜なら「出羽桜」や「四季桜」などたくさんある。
しかし私が清明に最もふさわしいと思う”花の酒”は、秋田は日の丸醸造の「まんさくの花」である。まんさくの花は早春に一番先に咲く花であるので、4月5日ごろの清明より早い時節の花だ。だから正確には清明の花ではないのだろう。しかし、まだ残雪の残る中に、凛々しく咲き誇る黄色いまんさくの花に、私はなぜか清明を感じるのだ。
そして何よりも、この蔵の造るキリッとした純米吟醸の味が、清明そのものだといえよう。
私の高校の同級生の書いた「読まれるブログ」が参考になります。お勧めします。
お元気でご活躍下さい。
お母様が亡くなった後の始末をすべてきちんと
していた話、雨にもかかわらず臼杵は満開の桜でご家族をお迎えした話。
そして、何より95歳のお母様がお亡くなりになるまでお子様が全員健在で活躍しておられることは、本当に親孝行のご兄弟だと感じました。
「読まれる…」より「自分に忠実…」を重視していますので、とりあえずご推薦の本に近づく事がないかもしれませんが、お許し下さい。スミマセン。
母は天寿まっとう、大往生の典型のようなものであったと思っています。
大分空港に着いたときには雨でしたが、翌日の通夜、次の告別式と快晴で、満開の桜とともに母が最も好んだ時節と天候の下での葬儀でした。
皆様方のご好意ともども、心から感謝しています。有難うございました。 tabinoplasma