旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

『獺祭』桜井社長の魂の叫び … コロナ禍政府政策に対する意見広告(5月24日日経新聞)を読んで

2021-05-26 15:32:55 | 



 人気清酒『獺祭』を造る旭酒造の桜井一宏社長が、5月24日付日経新聞6面に、全紙に及ぶ意見広告を掲載した。
 氏はまず、日本経済を、雇用をはじめ実態的に支えているのはグローバル化や大企業ではなく、全国津々浦々に張り巡らされたローカル経済圏であり、その代表的業種が飲食店であると指摘する。
 ところがこの飲食店業界は、コロナ感染拡大の主犯人とされ、国の画一的で合理性を欠く営業時間制限などを受けて疲弊しきり、多くは死の淵に追いやられていると現状を嘆く。同時に諸調査の結果を示して、飲食店は感染拡大の主犯人ではないこと、当の官僚が自ら制限した営業時間外の深夜に会食を行っているのは、その証左であると実態を暴く。
 加えて日本の食文化のすばらしさを語り、画一的な時間制限などゼロか100かの政策ではなく、感染も倒産も抑える実体に合った弾力的な政策を採れと提案する。「飲食店を守ることは“日本のいのち”を守ることだ」という訴えに、桜井社長の魂の叫びを感じた。
 国はこの魂の叫びに答える必要があろう。しかもその答えは、お決まりの、紋切型の、形式的な回答であってはならない。国としても実情を究明しつくした、血のにじむような、魂の叫びでなくてはならない。
 霞が関的な、官僚的な言葉は、桜井社長には通じない。


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