これまでも度々触れてきたが、娘がオペラの制作・普及活動をやっており、このコロナ禍で公演制限を受け大変苦労している。国の補助を受けながら、辛うじて事業を続けている状況だ。今年も7月に、小演劇的オペラとして『椿姫』の公演に取り組んでいるが、定員120名の会場で60名の入場制限を受け、出演者へのギャラの支払いはもちろん、到底採算の取れない状況だ。
それに対し、経済産業省の事業継続支援補助を獲得し、「気持ちだけのギャラぐらい払えるか」と取り組んでいたところ、昨夜、文化庁から、文化芸術活動の継続支援事業として「ARTS for the Future 」という補助金が認可された、という朗報が入った。娘は、「これで何とかそこそこのギャラが払える」と大喜びだ。つまりミャゴラトーリが事業を継続していけるだけでなく、オペラ歌手たちも生活の糧を受けることができるということだ。
何といっても補助金の名前がいい。文化庁補助は3年連続で受けることになったが、昨年からこの名称になったらしく「未来のための芸術」という響きに夢と希望がある。
コロナ下という特殊事情からの補助金のようだが、国はこのような予算を平時にも持つべきではないか。日本の文化予算は先進国の中では断トツの最下位で、オペラ関係予算など、藤原や二期会などに占められ、ミャゴラトーリなどにはびた一文回ってこない。 いわば日本は文化後進国なのだ。
こういう機会に、抜本的に考え直すべきではないか。
文化、芸術への国からの支援は、必要なことです。もっと、多くの人たちが、身近にオペラも音楽、演劇、美術…なども楽しめるようにと、あらためて強く感じます。