旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

恒例のホテルオオクラ「秘蔵の名品アートコレクション」

2009-08-16 12:08:34 | 文化(音楽、絵画、映画)

 このところ例年、夏休みにホテル・オオクラに出かけ「秘蔵の名品アートコレクション」を鑑賞し、そのあと食事をすることとしてきた。
 今年の出し物は『栄光のオランダ絵画展』となっており、日欄通商400年記念となることから日欄協会の推薦があり、加えて娘の同級生でテノール歌手の前田進一郎君から招待券を頂いたこともあり、恒例のこととして出かけた。

 17世紀から現代までのオランダ絵画が展示されてあったが、一般論的だがレンブラントとゴッホに惹かれた。
 レンブラントの作品はほとんどがエッチングで、「窓辺で素描をする自画像」のほかは、「羊飼へのお告げ」など宗教画がほとんどであった。その詳細な描写と、エッチングによるいっそうの光の描写がすばらしい。
 ゴッホの絵は、まだオランダ北部のニューネンにいた頃(1885年ごろ)の画が多く、後期(と言っても彼が絵を描いた年限はわずか10年であるが)の「ひまわり」や麦畑などの明るい色調は無く、むしろミレーを思い起こさせる「雪原で蒔を集める人々」など、農民を描いた暗い色調の絵が多く、私にとっては珍しく、興味を持った。「白い壷の花(薔薇ほか)」という静物があ
ったが、むしろ清楚で、有名な「ひまわり」シリーズとは似てもにつかぬ画であった。

 そのあと恒例により14階の「ベル エポック」で食事をしたところ、コース料理は以下のとおり、全てゴッホにちなんだものであった。

オードブル 「ゴッホ誕生の地オランダ産チーズを使って」
スープ 「絵を学んだ゛ベルギーのグリーンピース「冷製スープ」
鱸のロースト 「芸術家が集まったパリの『トゥーパリ風』」
メイン 「名画を残したプロヴァンス風『骨付き子羊の網焼き』」
      (ワイフは「国産牛フィレ肉のポアレ」を選択)
デザート 「ゴッホが残した名画にちなんで『ひまわり』」

 これには驚いた。ほとんどの客が絵画展を見た後だけに喜んだことだろう。ややこじつけの感のぬぐえないものもあったが、最後のデザートはまさにひまわりで、早速写真に収めたというわけ。
 何事も遊び心は大事である。ソムリエの平井さんともすっかりなじみになって楽しかった。
                           

 


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