旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

音楽室物語

2020-12-10 11:20:12 | 文化(音楽、絵画、映画)



 前回の『ドン・カルロ』の投稿で、我が家の音楽室に触れた。この小さな音楽室にも、歴史の経過と好悪さまざまな思い出がある。

 妻は子供の頃からピアノを愛していたらしく、私と結婚したとき、鍋かまは持って来なかったがピアノ(もちろんスタンドピアノ)だけは持ってきた。当初は6畳一間の間借りで、その床の間にピアノをすえて弾いていた。
 やがて家を建て、ピアノはリビングに据えられ、近所の子供たちにピアノを教えるようになった。彼女の夢は、いつの日かグランドピアノを買って、本物の音を子供に聞かせ指導することだった。
 第二の人生で三井ホームに勤めることをなったのを機に、私は思い切って家を建て替え(三井ホーム三階建)、一階の半分を音楽室にした。それとて11畳か12畳のものであったが、妻は浜松まで出かけ、念願のグランドピアノを購入してきた。
 ところが、私の設計ミスで、一階にどうしても必要なトイレを、音楽室に食い込ませてしまった。いびつになった音楽室へのピアノの収まり具合が悪く、子供のレッスンには支障はないが、発表会や妻の属するコーラスの練習には「チョット狭すぎ」た。
 妻はやがてこれらの計画をあきらめざるを得なかった。「妻の夢を十分に適えられなかった」…、私はこれを、今も後悔している。(つづく)

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 散歩の花(松澤病院周辺)


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